円安の材料と米ドルの変動要因〜/ユーロ相場のトレンドと変動要因...

円安の材料とは?

投資家というのは、政治や経済が安定している国の通貨で運用したいと考えているので、日本の政治や経済が低迷すれば、当然円は売られます。

 

また、少子高齢化や債務が多いなどといった要因も円安要因となります。

 

さらに、金利政策においては、市場が利上げを期待している中で、据置きや利下げを発表すれば、失望売りが出ますので円安方向に進みます。

 

ちなみに、貿易では、一般に輸入が伸びると円安になりますが、輸出が伸びると円高になります。

金融緩和とは?

金融緩和というのは、日本の日本銀行や米国のFRBなど金融政策当局が、政策金利の引下げなど、市場へのマネーサプライ(通貨供給量)を増加させるような政策をとることをいいます。

 

このような政策によって、金融機関の貸出金利の低下や、貸出しの増加が促されることになり、その結果として、経済活動が刺激されことになります。

 

◆米国経済指標とは?
米国経済指標は、世界中の市場参加者が注目している指数です。特に重要なのが、次のような指標になります。

 

■景気指数 ⇒ GDPやISM製造業指数など
■雇用統計
■物価指数
■住宅関係指数
■貿易収支

 

なお、為替相場は、これらの指標の予想と結果との差によって大きく動きます。

 

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現在の基軸通貨は?

基軸通貨というのは、金融取引や貿易取引などで主として使用される通貨のことをいいます。

 

以前は、英ポンドが基軸通貨の時代もあったのですが、現在の基軸通貨は米ドルとなっています。

 

しかしながら、最近はドルに対する信頼が低下していることから、ユーロを次の世代の基軸通貨、あるいは第二の基軸通貨と捉える向きも増加しています。

 

ちなみに、基軸通貨は国の対外支払準備として保有されるなど、国際取引において支配的な地位を占めています。

 

◆IMFとは?
IMF(国際通貨基金)というのは、1944年からのブレトンウッズ体制に基づいて、1945年に設立された、国際通貨体制の安定を目的とした国際機関のことです。

 

ちなみに、同時期に国際復興開発銀行(IBRD)も設立されています。なお、IMFの本部は、米国のワシントンDCです。

 

◆IMFの主な業務は?
IMFの主な業務は、次のようなものです。

 

■為替の安定
■各国の貿易の促進
■国際収支上の問題を抱える加盟国への融資...など

 

◆FXの通貨の強弱
為替レートというのは、2つの通貨の交換レートのことです。そして、どこかの国の通貨を買った場合には、必ずどこかの国の通貨を売るという行為がセットになっています。

 

このような理由から、FXでは、常に強い通貨と弱い通貨が存在しているのです。

ECB(欧州中央銀行)とは?

ECB(欧州中央銀行)というのは、1998年に欧州通貨連合が開始される際に発足された、ユーロ圏の中央銀行のことです。

 

ECBでは、毎月理事会が開催され、金融政策と政策金利などについての議論が行われています。

 

◆ECBの理事会とは?
ECBの理事会は、ユーロ加盟国の中央銀行の総裁を含む17名で構成されています。

 

なお、ECB議長の発言は、米国のFRB議長の発言と同じように、市場に大きな影響を及ぼします。

 

◆BOE(イングランド銀行)とは?
BOE(イングランド銀行)というのは、1694年に設立された英国の中央銀行のことです。BOEは、英国の物価安定と英国政府の経済政策支援を行います。

 

ちなみに、英国は、現在、変動相場制ですが、ユーロはまだ導入されていません。

 

◆BOEの政策金利は?
BOEの主要政策金利はレポ金利ですが、これは、毎月開催されるMPC(金融政策決定委員会)で決定されます。

対円以外の通貨ペアとは?

対円以外の通貨ペアというのは、ユーロ/ドル、ポンド/ドル、ドル/スイスフランなど、円を介さない通貨ペアのことをいいます。

 

この対円以外の通貨ペアをポートフォリオの一部に入れておくと、円高や円安に関わらず、通過の分散投資効果が高まるメリットがあります。

 

◆通貨ペアとは?
通貨ペアというのは、2国間の通貨の組み合わせのことです。なお、基準通貨をどちらにするのかによって、表示方法が異なります。

 

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為替相場の主導権を握るアメリカ

米国は第一次世界大戦後に世界最大の経済大国になり、それ以降、世界恐慌や第二次世界大戦、冷戦を経ても、なおその座を守り続けています。

 

為替相場の歴史上も、常にアメリカが主導権を握ってきました。

 

つまり、戦後の固定相場を決めたブレトンウッズ会議(1944年7月)に始まり、1971年8月のニクソンショック、1985年9月のプラザ合意など、常に為替市場はアメリカの為替政策に強い影響を受けているのです。

 

現在も基軸通貨として石油や金など、世界中で取引されている様々なモノやサービスの多くが米ドルで決済されているので、その取引高も他の通貨と比較しても最も多いです。

 

ちなみに、米ドルは、日本にいながらにして情報もたくさん入ってくるので、最も取引しやすい通貨といえます。

 

FXを始めたばかりで、どの通貨ペアを取引したらよいか迷っている場合には、まずは米ドルを選択しておけば間違いはありません。

 

◆米ドルの変動要因は?
米ドルの変動要因としては、次のようなものがあります。

 

■通貨政策 ⇒ アメリカの財務省が、ドル高を望んでいるのかドル安を望んでいるのかによって、米ドルはその方向へ大きく動く可能性が出てきます。
■経済指標 ⇒ 米ドルは取引高が最も多い通貨なので、米国の経済指標は他の国の指標よりも注目されています。
■金利動向

 

◆アメリカの経済指標は?
米ドルは取引高が最も多い通貨なので、米国の経済指標は他の国の指標よりも注目されています。中でも次のような指標は、特に注目度が高いです。

 

■GDP
■貿易収支
■非農業部門雇用者数
■ISM製造業景況指数

 

当然ですが、上記の指標がよければドル買い、悪ければドル売りが優勢となります。

 

◆アメリカの金利動向は?
米国の中央銀行であるFRBは、米国経済や物価動向を安定させるために、政策金利の調整を行っています。

 

また、米国の金利は、毎月開催されるFOMCで決められますが、一般的には、利上げならドル買い、利下げならドル売り要因となります。

 

ちなみに、2004年から2005年にかけて進んだドル高は、米国の金利水準が上昇し、日本との金利差が拡大したことが要因であるといわれています。

 

ただし、その後、2007年には米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題を発端に、急激な円高ドル安が進行し、それまでの円キャリートレードの巻き戻しの動きも加速しました。

アメリカの通貨政策は?

アメリカの通貨政策というのは、アメリカの財務省が決定しています。

 

よって、この財務省がドル高を望んでいるのか、それともドル安を望んでいるのか、特に要人発言の変化には、注意して読み取らなければなりません。

 

もし、これまでドル高を容認する発言だったものが、ドル安が望ましいといったニュアンスに変わるようだと、米ドルはその方向へ大きく動く可能性が出てくるからです。

 

なお、アメリカの為替政策こそが、為替相場を動かす最大の要因なので、そうなったらどのような材料が出てこようともその流れは変わりません。

 

◆アメリカの貿易額・主要産業等は?
アメリカの主要産業・貿易額等は、次のとおりです。

 

■主要産業
・金融保険不動産業
・サービス業
・工業全般
・農業(小麦、とうもろこし、大豆、木材など)

 

■人口
・2億9,573万人(2005年)

 

■物価上昇率
・3.2%(2006年)

 

■失業率
・4.6%(2006年)

 

■貿易額
・輸出:1兆237億ドル(2005年)
・輸入:1兆8,597億ドル(2005年)

 

■主要貿易輸出品目
・自動車、同部品、半導体、コンピュータ関連製品、航空機、電気機器

 

■主要貿易輸入品目
・自動車、同部品、原油、コンピュータ関連製品、医薬品、衣料品

 

■主要貿易輸出相手国
・カナダ、メキシコ、日本、中国、イギリス

 

■主要貿易輸入相手国
・カナダ、中国、メキシコ、日本、ドイツ

ユーロ(EUR)の特徴は?

ユーロは、欧州通貨統合により1992年に誕生した新しい通貨です。2008年4月現在、ユーロを通貨としているのは、次の15か国です。

 

■フランス ■ドイツ ■イタリア ■ポルトガル 
■ルクセンブルグ ■オランダ ■ベルギー ■スペイン
■オーストリア ■ギリシャ ■フィンランド ■スロベニア
■アイルランド ■マルタ ■キプロス

 

いずれはユーロの適用範囲をEU加盟国全体に広げる方針です。

 

しかし、現状では、ユーロ導入の適格要因を満たせる国が少ないので、今のところは拡大ユーロ政策は足踏み状態と言えそうです。

 

ちなみに、EU加盟国は全部で27か国ですが、そのうちユーロを導入していない残りの国は次の12か国です。

 

■イギリス ■スウェーデン ■ハンガリー ■スロバキア
■デンマーク ■ラトビア ■ルーマニア ■ブルガリア
■エストニア ■ポーランド ■リトアニア ■チェコ

ユーロは第二の基軸通貨?

ユーロは第二の基軸通貨と言われているだけあり、米ドルに次ぐ取引規模を誇っています。

 

また、ユーロは米ドルが売られたときの避難通貨としての位置づけで買われることも多く、テロなどで米ドルが売られると、ユーロが買われます。

 

なお、その反対の現象が起きることもあります。

 

つまり、多額の資金を動かす投機筋にとって、ユーロから資金を引き出す際に、代わりに買えるのはドルしかないわけですから、ユーロと米ドルは反対の動きをしやすいのです。

 

◆ユーロの物価上昇率・失業率などは?
ユーロの物価上昇率・失業率などは、次のとおりです。

 

■人口
・3億1,660万人(2006年)
※EU全体では4億9,280万人です。

 

■失業率
・7.8%(2006年)

 

■物価上昇率
・2.0%

 

■EUの貿易額
・輸出:1,067億ユーロ(UE域外)
・輸入:1,173億ユーロ(UE域外)

 

■EUの主要貿易相手国・地域
・輸出:米国、スイス、ロシア、中国、日本
・輸入:米国、中国、ロシア、日本、スイス

 

◆ユーロ圏内のGDP順位は?
ユーロ圏内のGDPのランキング(2006年)は、次のようになっています。

 

■1位:ドイツ ⇒ 2兆3,091億ユーロ(世界3位)
■2位:フランス ⇒ 1兆7,920億ユーロ(世界6位)
■3位:イタリア ⇒ 1兆4,754億ユーロ(世界7位)
■4位:スペイン ⇒ 9,762億ユーロ(世界8位)
■5位:オランダ ⇒ 5,343億ユーロ(世界16位)

 

世界の順位でも10位までに入っている国が4か国もあるのは注目です。

ユーロ相場の変動要因は?

ユーロ相場の変動要因としては、米ドルと同じようにユーロ圏全体の経済指標や要人発言、政治的なイベントがありますが、特にユーロ圏の中心であるドイツ、フランス両国の次の経済指標は注目されています。

 

■GDP
■鉱工業生産指数
■生産者物価指数
■消費者物価指数

 

さらに、ドイツで発表される次の指標も注目度が高いです。

 

■ZEW景況感指数
■IFO景況指数

 

◆ユーロ相場の変動要因である政治的なイベントとは?
政治的なイベントが、ユーロ相場に大きな影響を与えることもあります。例えば、次のような際には、いずれもユーロ相場は下落しています。

 

■2005年5月にフランスなどで起きた欧州憲法批准が国民投票で否決された際
■2005年9月にドイツ総選挙後に政治的混乱が起きた際

 

◆ユーロ/円のトレンドは?
ユーロ/円は、2005年の夏頃までは上値の重い展開が続いていました。

 

しかし、2005年12月以降は、ユーロ圏の利上げ期待やユーロ圏の経済の堅調ぶりを好感したユーロ買いにより、ユーロ/円は上昇トレンドに入りました。

 

その後、サブプライムショックで一時、円高に進みつつも、2007年には対円では市場最高値を更新する場面もありました。

 

さらに、2008年10月には、再び113円台、2009年1月には112円台まで急速に円高が進んでいます。

 

◆ユーロ/ドルのトレンドは?
ユーロ/ドル相場は、2002年から上昇し続け、2004年12月には1.36ドル台をつけています。

 

そして、2005年は米ドル/円が上昇トレンドにあったので、ユーロ/ドル相場は1.16ドル台前半まで下落しました。

 

しかしながら、2006年からは再び上昇トレンドに転じています。

 

その後、2008年7月から下落トレンド入りし、同年10月には1.23台、同年12月にいったん戻りを見せるものの、2009年3月には再び1.24台まで下落しています。

 

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