実効為替レートと購買力平価〜/貿易収支が黒字だとなぜ円高になりやすいのか?

FXでロスカットを入れる理由は?

例えば、勝ち負けは五分五分で、±10%の損得で勝ちと負けを繰り返すとすると、次のように買った時は10%増えて、負けた時は10%減ることになります。

 

最初の資金を100として、複利でやるとすると、

 

■1回目は、勝ちで10%増加
⇒ 100×110%=110
■2回目は、負けで10%減少
⇒ 110×90%=99
■3回目は、勝ちで10%増加
⇒ 99×110%=108.9
■4回目は、負けで10%減少
⇒ 108.9×90%=98.01

 

というように、勝ち負けが五分五分だとしても、資金というのはどんどん減っていきます。よって、1回の負けの額を限定させるためにも、ロスカットはしっかり入れる必要があるのです。

 

なお、多くても損失は10%以内に抑えたいところです。

 

ちなみに、FXの勝率で5割を超すというのはかなり厳しいのですが、たとえ勝率4割であっても、資金管理によって損少利大でいけば、トータルで勝つことが可能です。

ロスカットとは?

ロスカットというのは、損切りのことです。このロスカットは、損失が一定以上膨らまないように、損をしてでも決済することをいいます。

 

◆為替相場の動く要因は?
株の場合には、企業のファンダメンタル(収益)に対して、株価が上がりすぎ、あるいは下がりすぎという概念があります。

 

しかしながら、為替の場合には、株ほど上がりすぎとか下がりすぎという概念はありません。これは、一般的に為替は、次のような要因によって動くからであるといわれています。

 

■金利差 ■米国通貨政策 ■米国経常赤字
■景気動向 ■原油価格 ■地学的リスク
■為替介入...など

 

これらの中でも、最も為替レートに影響を与えてきたのは、アメリカの通貨政策です。これは、為替市場における世界の基軸通貨が米ドルであるからといえます。

 

過去には、たとえどのような材料があったとしても、米国がドル高と言えばドル高に動きますし、米国がドル安と言えばドル安に動いてきました。

 

ただし、最近はドルの信用が低下していることから、状況は変わってきたともいえます。

 

スポンサーリンク

政策金利とは何ですか?

政策金利というのは、中央銀行が市中銀行にお金を貸し出す際の金利のことをいいます。日本では、無担保コール翌日物金利です。

 

◆政策金利による景気コントロールとは?
中央銀行は、インフレ懸念が高まると政策金利を上げて、お金があまりたくさん流通しないようにします。

 

また、景気減速(デフレ)懸念が高まると政策金利を下げて、お金がたくさん流通するようにします。このようにして景気をコントロールしています。

 

◆米国の通貨政策とは?
1980年にレーガン大統領は、強いドル政策を打ち出しました。その結果として、海外から米国に投資資金が集まり、ドル安がどんどん進んでいきました。

 

その後、ドル高が進み、米国では産業の空洞化が起こり、企業などが米国から海外へどんどん出て行きました。

 

それにより、雇用が冷え込み不景気になり、これを食い止めるために、1985年のプラザ合意では、ドル安政策がとられました。

 

このプラザ合意以降、円は一気に240円から120円レベルまで円高ドル安になりました。

 

さらに、この円高は、日米貿易摩擦が問題になった1995年には、史上最高値の1ドル=79.75円をつけました。

実効為替レートとは?

実効為替レートというのは、例えば、世界の通貨に対して、平均的に円高なのか円安なのかを示す指数のことをいいます。

 

この実効為替レートを用いると、ドル/円が円高でも、ユーロ/円は円安という場合にも、平均的に円高なのか円安なのかということがわかります。

 

◆ドルの地位低下とは?
2001年をピークに、外貨準備に占める米ドルの比率が低下しています。その分、ユーロの比率は上昇していて、ドルの受け皿になっていることがわかります。

 

また、通貨の売買高シェアにおいても、米ドルのウエイトは低下していて、その代わりにユーロやその他の通貨のシェアが上昇しています。

 

FX投資を行う際には、このような世界のパワーバランスの変化についても、しっかり見ていくことが大切です。

 

◆プラザ合意とは?
プラザ合意というのは、1985年にニューヨークのプラザ・ホテルで行われたG5※で発表された、為替レートに関する合意のことです。

 

これ以前、米国は財政赤字と貿易赤字に悩まされていましたが、プラザ合意以降、対日貿易赤字是正のためのドル安円高へ修正されました。

 

ちなみに、このプラザ合意の翌日の月曜日には、1日でドル/円レートは1ドル=235円からおよそ20円ほど下落しました。

 

※先進5か国蔵相・中央銀行総裁会議のことです。

 

◆購買力平価とは?
購買力平価というのは、自国の通貨と外国の通貨で、同様のものを購入できる比率によって、為替レートを決定するという考え方のことをいいます。

 

つまり、購買力平価では、為替レートというのは、それぞれの国で同じくらいの値段で購入できる比率に調整されるべきであると考えているのです。

 

ちなみに、この購買力平価では、世界共通の商品であるマクドナルドのハンバーガーがよく用いられます。

有事のドル買いは?

以前は、有事のドル買いということで、世界のどこかで戦争や紛争などが起きると、強力な軍事力を持つ米国の通貨が買われる傾向にありました。

 

例えば、中国の天安門事件やイラクのクウェート侵攻のときには、ドルが買われ上昇しました。

 

しかしながら、9.11同時多発テロの際には、ドルは暴落しています。現在では、世界におけるドルの地位は低下しているといえます。

GDPとは?

GDPというのは、国内総生産のことで、一定の期間内に国内で生み出された付加価値の総額のことをいいます。

 

このGDPは、経済を総合的に把握する統計といえますが、GDPの伸び率が経済成長率に値します。

 

◆インフレ率
インフレ率というのは、物価上昇率のことです。

 

◆インフレーションとは?
インフレーションは、一般的にはインフレとも呼ばれますが、通貨の価値が低下して物価が上昇する現象のことをいいます。

 

好景気には、モノの生産よりも需要が上回るので、物価は上昇傾向になりますが、好景気が続いている間は、企業の業績も好調で、労働賃金もそれに合わせて上昇カーブを描きます。

 

しかしながら、過度の物価上昇が続くと、消費が減り、景気が減速し、さらには景気後退の要因ともなり得ます。

 

基本的に、インフレ懸念が認められる国では、利上げが実施される可能性が高いので、為替相場では、その国の通貨が買われる傾向にあります。

 

ただし、インフレが本格化して、ハイパーインフレの懸念が高まると、その反対の現象が起きやすいので注意したいところです。

 

◆GDPによる為替の変動は?
GDP(国内総生産)は、3か月ごとに発表される、経済成長率を見る数字です。

 

為替市場では、アメリカのGDPが、予想より発表数値の方がよければドル買いになり、逆に悪ければドル売りとなります。

 

スポンサーリンク

為替を動かす経済指標は?

為替を動かす経済指標としては、次のようなものがあります。

 

■雇用統計 ⇒ 雇用統計の中では「アメリカの非農業部門の雇用者数」が特に重要です。

 

■住宅着工件数 ⇒ その月に新築された家の数を調査したものです。住宅着工件数の数が多いほど好景気のサインといえます。

 

■住宅建設許可件数 ⇒ 住宅建設許可件数は、建設許可が必要な地域・建物で、許可を申請した人の数です。景気先行きを見る指標です。

 

■ISM製造業景況指数

 

■GDP(国内総生産) ⇒ GDPで経済全体の状況がわかります。

 

■経常収支

 

■貿易収支 ⇒ ドル安の時にこの数字が悪いとさらに売られることになります。

 

■インフレ率

 

■消費者物価指数(CPI)上昇率 ⇒ CPIはインフレ率のことですが、最近では、このCPIが下がると買われる傾向にあります。

 

■消費者信頼感度数 ⇒ 消費者に、半年後の経済予測をアンケート調査したものです。この消費者信頼感度数は、GDPとの相関性に注意したいところです。

 

■小売売上高 ⇒ 小売売上高は、個人消費が伸びているかどうかがわかりますが、米国は消費が経済を牽引していますので、特に重要な指標といえます。

 

■生産者物価指数

 

■鉱工業生産 ⇒ 鉱工業生産は、生産動向を指数化したものですが、景気を判断するのに適しています。この指標は、毎月発表されます。

 

■日銀短観 ⇒ 企業約1万社に景況感や設備投資計画などを聞いたものです。

 

■IFO景況感指数 ⇒ 西側ドイツの会社7,000社にアンケートしたものなのですが、ユーロ相場を動かす重要な指標です。

 

ただし、雇用統計のように大きく反応する経済指標もあれば、ほとんど反応しない経済指標もありますので、重要なものを覚えておくとよいと思います。

貿易収支とは?

国の収支に関する指標として、「経常収支」と「貿易収支」があるのですが、このうち「貿易収支」は重要な指標です。

 

例えば、日本は輸出大国なので、通常貿易収支は黒字になりますが、これは常に円高になりやすい体質といえます。

 

なお、ドル安のときに、貿易収支が悪いとさらに売られることになります。

 

◆貿易収支が黒字だとなぜ円高になりやすいのですか?
例えば、トヨタの自動車が北米で大量に売れたとします。すると、トヨタには米ドルがたくさん入ってきます。

 

しかしながら、トヨタは日本国内の従業員に対する給料を米ドルで支払うわけにはいきません。

 

なので、輸出企業は支払いなどのために稼いだ米ドルを円に換える必要があるわけです。

 

これにより、円の需要が増加し、円高になるのです。ちなみに、米国の場合はこの逆になります。

雇用統計で重要なのは?

雇用統計の中では、「アメリカのアメリカの非農業部門の雇用者数」が特に重要です。

 

この指標は、現在為替市場において最も注目されている指標の1つになっていますが、これによって、景気がいいのか悪いのかを判断します。

 

ちなみに、この発表数値が、市場の予想よりも悪ければドル売りの要因になり、反対に、市場の予想よりもよければドル買い要因になります。

 

◆インフレ率とは?
インフレは物価上昇、デフレは物価下落のことです。インフレ率が高いと、中央銀行は景気を冷やすために利上げをしようとします。

 

お金は常に金利の高いところへ流れようとしますので、インフレ率が上昇すると、初期の段階では金利が上昇すると判断され、通貨が強くなります。

 

しかしながら、インフレ率が高い状態が長い間継続すると、為替レートの購買力平価に収束する性質から、通貨は弱くなる傾向にあります。

 

これは、インフレ率が高くなり為替レートが上昇しすぎると、レートが下がらなければ購買力平価が同じになりませんので、レートが下がるということです。

外国為替市場で取引できるのは?

外国為替市場は、土日とクリスマスや正月などの世界的に共通の祝日を除いては、世界中のどこかのマーケットが開いていますので、24時間売買することが可能です。

 

◆為替市場の1日の動きは?
日本時間の明け方にニュー時ランドのウェリントン、その後オーストラリアのシドニー市場が取引を開始します。

 

ただし、この時間帯の市場参加者は少ないので、よほどのことがないと相場は大きくは動きません。

 

そして、その後日本市場が始まり、日本市場が終わる日本時間の16時頃からユーロ圏での取引が始まり、23時※にはニューヨーク市場がオープンします。

 

※サマータイムのときは22時です。

 

◆外国為替市場が活発な時間帯は?
外国為替市場は、日本時間よりも海外時間の方が活発に取引されます。

 

また、外国為替市場が、1日のうちで最も取引が活発なのは、欧州と米国の2つの市場が重なって開いている時間で、日本時間でいうと、22時頃〜午前2時頃までとなります。

 

ちなみに、為替市場に大きな影響を与えるアメリカの経済指標も、例外を除いては、日本時間の22時30分※に発表されます。

 

※サマータイムのときは21時30分です。

 

◆サマータイムとは?
サマータイムというのは、米国や欧州、オセアニアの主要先進国で導入されている制度で、春から秋にかけて、日照時間の拡大に合わせて時計を標準時より1時間早めるというものです。

 

ちなみに、米国の場合ですと、サマータイムは、2007年から3月第2日曜日の午前2時から始まり、11月第1日曜日の午前2時に終わります。

 

スポンサーリンク