カナダドル、スイスフラン、南アフリカランド、香港ドル、人民元と為替相場との関係は?

カナダドルの特徴は?

カナダは、サウジアラビアに次いで、世界第2位の石油埋蔵量を誇るとともに、ウラン、天然ガス、金など多くの天然資源を輸出している天然資源国です。

 

これにより、カナダドルは、原油価格や金価格の影響を大きく受けます。ちなみに、2005年以降は原油価格の高騰や高止まりにより、対円でも大幅な上昇を続けていました。

 

また、カナダはG7にも加盟し、財政収支も貿易収支も黒字を維持しているので、政治的にも経済的にも安定しています。

 

ただし、カナダドルは、豪ドルやNZドルなどの資源国通貨と比較すると、スワップポイントはあまり高くないので、金利面の魅力から買われることはあまりないようです。

カナダとアメリカとの関係は?

カナダはアメリカと国境を接しているだけでなく、1992年に北米自由貿易協定(NAFTA)に参加するなど、アメリカ経済と非常に密接な関係にあります。

 

ちなみに、アメリカ向けの輸出は、カナダの総輸出の8割以上を占めています。

 

◆アメリカの景気とカナダドルの関係は?
アメリカ経済が堅調なときは、カナダ経済にも好材料を与えるという思惑から、カナダドルが買われます。

 

反対に、アメリカ景気が不調なときは、カナダ経済にも悪影響を与えるという観測からカナダドルが売られるケースが多いようです。

 

よって、カナダドル相場の動向を予測する際には、カナダの経済指標だけでなく、アメリカの金融政策や雇用統計などの経済発表も確認するようにしましょう。

 

ちなみに、最近のカナダドル相場は、資源国通貨としての特性がより強く反映されるようになってきていますので、原油価格や商品市況の動向にも注意が必要です。

 

◆カナダの政策金利は?
カナダの政策金利は、アメリカの政策金利の動向と似ているという特徴があります。

 

◆カナダ中央銀行(BOC)とは?
BOC(=Bank of England)は、カナダ中央銀行のことです。政策金利名は翌日物金利です。

 

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スイスフランの特徴は?

スイスフランは、永世中立国であるスイス連邦の通貨です。スイスフランの特徴としては、テロや戦争などの有事に強いということがあげられます。

 

つまり、スイスは独立と領土の安全を守る永世中立国という立場を明確にしているので、他国でテロや戦争が起きたとしても、戦争に巻き込まれる危険性が小さいと考えられ、資金の逃避先として注目されているということです。

 

◆有事のスイスフラン買いとは?
以前は、「有事のドル買い」といわれていたのですが、2001年のアメリカ同時多発テロでは、アメリカ自身がテロの標的とされてしまいました。

 

こうした背景もあり、2003年のイラク戦争や2006年の北朝鮮によるミサイル発射などでは、有事の際の非難通貨として、スイスフランの特性が顕著となり、今では「有事のスイス買い」とまで言われるようになっています。

 

◆スイス国立銀行(SNB)とは?
スイス国立銀行(SNB)というのは、スイスの中央銀行のことです。政策金利は、3か月物ロンドン銀行間貸し出しレートで、月に1度、ターゲット・レンジを見直しています。

 

◆スイスとEU諸国との関係は?
スイスは永世中立国なので、EUには加盟していないのですが、総輸出の6割、総輸入の8割が対EU諸国となっています。

 

つまり、貿易額のかなりの部分が対EU諸国との取引によるものなので、ユーロ経済の影響を受けやすいといえます。

 

よって、経済的にはEU諸国と密接に結びついていますので、スイスフランの値動きも、ユーロの値動きと連動する傾向にあります。

 

◆スイスフランの金利は?
スイスフランの金利は、他の通貨と比べて低水準にありまので、豪ドルやNZドルなどの高金利通貨のようにスワップポイントを狙って購入する投資家は少ないようです。

 

また、有事が発生した時に、スイスフラン相場は上昇しますが、時間が経過していくとともに、国際情勢も落ち着き、発生したリスクも軽減していくと、投資家が資金を回収することから相場が下落するという動きになります。

 

よって、スイスフランは、どちらかといえば、短期的な投資の対象になりやすいといえるかもしれません。

南アフリカランド(南ア・ランド)の特徴は?

南アフリカ共和国の通貨であるランドは、高金利通貨として人気が急上昇しています。

 

政策金利については、FXで取引されている通貨の中では、トップクラスの水準にあり、豪ドルやNZドルよりもさらに高金利であるのが、南アフリカランドの最大の魅力といえます。

 

◆南アフリカランドは資源国通貨?
南アフリカは世界一の金の産出国であり、また、ダイヤモンドやプラチナなどの貴金属類が総輸出額のおよそ4分の1を占めています。

 

よって、南アフリカランドは、豪ドルやカナダドルと同じように、資源国通貨の側面をもっており、特に金価格の影響を受けることも多いですから、ニューヨークの金先物相場の動向には注意してください。

 

◆南アフリカランドのリスクは?
南アフリカランドは、高金利通貨と資源国通貨の両面をもっているので、FXでも人気が急上昇しています。

 

実際、南アフリカは、経済発展が続いていて、今後も中国やロシアなどと並び高成長が期待できる新興国と評価されています。

 

しかしながら、周辺に政情が不安定な国が多数存在することや、20%を超える高い失業率など、リスク要因もありますので、投資するには危険が大きい通貨であることも忘れてはいけません。

 

◆南アフリカランドの為替変動は?
ここ10年ほどの南アフリカランドの対円での為替レートの推移を見ますと、1998年に1ランド=27円台であったのが、2001年末には9円まで急激に円高ランド安が進むなど、南アフリカランドの値動きは、他の通貨と比べて非常に激しいといえます。

 

よって、南アフリカランドに投資する際は、他の通貨以上に取引のタイミングが重要になります。

 

また、スワップポイントが高いのは非常に魅力的なのですが、スワップポイント狙いの中長期投資を行う際には、レバレッジを低くして、慎重に取引するようにしたいところです。

 

◆南アフリカ・ランド投資のポイントは?
南アフリカ・ランドに投資する際には、次のようなポイントを押さえておきましょう。

 

資源国通貨の側面がある
・世界一の金の産出国で、ダイヤモンドやプラチナなどを含めた貴金属類が、総輸出額のおよそ4分の1を占めています。

 

高成長が期待できる新興国である
・FXで取引されている主要な通貨の中では、ダントツの金利水準です。なので、スワップ投資狙いの個人投資家に人気があります。

 

地政学的・政治的リスクがある
・周辺に政情が不安定な国が多数存在する、また、失業率が高いなど、地政学的・政治的リスクがあります。

金(ゴールド)といったら南アフリカ?

FXをやっていると、金(ゴールド)と聞けば南アフリカを連想する人も多いのかもしれません。

 

しかしながら、かつて南アフリカは世界一の金生産国でしたが、2007年には中国に抜かれています。ちなみに、2007年産金量順位は、次のようになっています。

 

■1位 中国 ⇒ 281トン 
■2位 南アフリカ ⇒ 270トン
■3位 オーストラリア ⇒ 246トン
■4位 アメリカ ⇒ 240トン
■5位 ペルー ⇒ 170トン
■6位 ロシア ⇒ 169トン
■7位 インドネシア ⇒ 147トン
■8位 カナダ ⇒ 101トン
■9位 ウズベキスタン ⇒ 75トン
■10位 ガーナ ⇒ 75トン

 

一般的には、南アフリカ・ランド相場と金(ゴールド)は連動していると言われていますが、実は、短期的には連動している部分がありますが、基本的には連動していないと考えてよいといえます。

 

というのは、2001年の年初、金が底値の時期に南アフリカ・ランドは高くなり、産金コスト割れ状態が続いて、南アフリカの金鉱山は最も厳しい状況でした。

 

その当時の解説では、金(ゴールド)が上昇したから南アフリカ・ランドも上昇しているなどと書かれていましたが、実際には、金(ゴールド)の上昇の前に南アフリカ・ランドが暴騰し、南アフリカの金鉱山はコスト割れで大変なことになっていたのです。

 

つまり、きちんと確認や検証をしてみると、巷で言われている解説とは違う部分もあったりするのです。

 

南アフリカ・ランドのようなマイナーな通貨の場合には、情報が少なかったり、間違った情報が当然のように解説されていたりしますので、こうした通貨には積極的に投資するのは避けた方が無難です。

 

◆金(ゴールド)と金鉱山株の関係は?
金(ゴールド)が商品とお金の両方の側面を持っているのに対して、金鉱山株というのは金(ゴールド)と株の両方の性質を持っています。

 

そして、金鉱山会社の株価に影響を与えるものとして、原油価格があります。

 

近年、世界的に金鉱山の金品位は下落傾向にありますが、掘りやすいところは掘ってしまって、深度が深い鉱脈を掘っている金鉱山が多いようです。

 

特に、南アフリカは、数千メートルの深度で、地熱と戦いながら、停電リスク※や落盤リスクの中で採掘をしています。

 

金を採掘して精錬するには、大量の原油を使います。なので、原油価格が上昇すると、金鉱山会社は収益が落ちるので、株価は下落する方へ作用するのです。

 

よって、原油が上昇すると、金価格は連動して上昇しやすいですが、金鉱山株は金(ゴールド)ほどは、上昇しづらいということになるのです。

 

※クーラーが止まると地熱でやられてしまいます。

 

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香港ドルの特徴は?

香港ドルは、中華人民共和国の特別行政区である香港の通貨です。香港は、1997年にイギリスから中国に返還されましたが、現在でも返還前と同様、独自の通貨を発行しています。

 

そして、香港ドルの一番大きな特徴として、ドル・ペッグ制を採用していることがあげられます。

 

なお、香港ドルは、他の国のように中央銀行が発行するのではなく、次の3つの民間金融機関によって、それぞれ異なる図柄の紙幣が発行されています。

 

■香港上海銀行
■スタンダード・チャータード銀行
■中国銀行

 

◆ドル・ペッグ制とは?
ドル・ペッグ制というのは、為替レートを一定の水準に固定する固定相場制の1つで、自国の通貨レートを米ドルに連動させる制度のことをいいます。

 

香港ドルでのドル・ペッグ制は、1983年から1米ドル=7.8香港ドルで導入されましたが、2005年には通貨制度が変更されて、1米ドル=7.75〜7.85香港ドルの間での変動相場制に移行しています。

 

しかしながら、非常に小さな幅での変動なので、基本的には、香港ドル/円相場は、米ドル/円相場と似たような動きをします。

 

◆香港ドルと人民元との関係は?
香港ドルは、中国の通貨である人民元に最も近い通貨として位置づけられています。

 

よって、今後人民元が切り上げられると、香港ドルも連動して切り上げられる可能性がありますので、人民元の動きについては要注意です。

 

ただし、香港ドルが将来的にどうなるのかについては、現段階では不透明なままです。

 

現状のままドル・ペッグ制が維持されていくのか、あるいは香港ドルと人民元の一国二通貨制度を継続していくのかなど、今後どうのように制度が変更されるのかによって、その評価も変わってくると思われます。

 

◆人民元切り上げとは?
人民元というのは、中国の通貨です。

 

かつては中国では、固定相場制をとっていたのですが、2005年7月に、中国人民銀行が通貨バスケット制を採用した管理変動相場への移行を発表しました。

 

これによって、1ドル=8.2765元から、1ドル=8.1100元になり、2%の切り上げが実施されました。

 

なお、人民元の切り上げ観測は、円高ドル安要因とされるため、為替市場にも影響を及ぼします。

為替レートの変動要因にはどのようなものがあるの?

為替相場では、次のようなものの直後に、為替レートが大きく変動することが多々あります。

 

■政策金利の発表
■各国の経済指標
■中央銀行総裁などの要人発言

 

よって、FX取引をする際には、為替相場に影響を及ぼす様々なニュースに注意を払うとともに、上記のようなものには特に注意する必要があります。

米ドル/円レートの変動要因は?

例えば、米ドル/円の通貨ペアであれば、次のようなものが為替相場に大きな影響を与えるものとして注目されます。

 

■政策金利 ⇒ FRBの金融政策決定会合などです。
■非農業部門雇用者数
■住宅関連指標
■貿易収支...など

 

こういった指標については、どの経済指標が重要で、いつ発表されるのかなど、多くのFX会社のホームページに記載されています。

 

なので、自分が投資しようとしている通貨ペアや、すでに保有している通貨ペアに関連するものについては、こまめにチェックしておきたいところです。

 

また、指標発表後の急激な変動に備えて、損失を限定するストップロス(逆指値)注文を出しておくと安心です。

 

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