トレンドの転換とテクニカル分析〜/スローストキャスティクスとMACD...

トレンドによる市場動向の見方は?

トレンドを把握する場合には、長期(プライマリー)、中期(セカンダリー)、マイナー(短期)のいずれかで見ているかにより、その市場動向の見方は異なります。

 

例えば、終わりの時点を2007年12月にそろえたル円の34年分の月足、5年分の週足、1年分の日足を見てみます。

 

すると月足チャートで変動相場制に移行して以来のドル円の長期トレンドを見ますと、総じて円高です。

 

円安トレンドを示す時期もありますが、大局で見ますと円高で推移し、変動幅が以前と比較して小さくなってきたことがわかります。

 

つまり、極端にいえば、長期トレンドで考えれば、ドル円市場では、小幅円高と毎年予測しておけば済んでしまいます。

 

このような長期トレンドというものは、今日明日、あるいは今週今月の相場動向で勝負している投資家にとっては、あまり役に立つものではないかもしれませんが、大局観を把握しておくことは非常に重要です。

長期トレンドの転換時期は?

長期トレンドの転換については、世界的な構造に変化をもたらすような経済的要因(東南アジア・南米・BRICsの台頭など)のみならず、戦争(東西冷戦やテロなど)といった社会的・政治的な要素を持つビッグ・イベントなども影響を与えることが多いようです。

 

◆ポジションを持つとは?
ポジションを持つというのは、取引している状態のことをいいます。例えば、米ドルを1万ドルを買っているのであれば、「1万ドルの買いポジションを持っている」などといいます。

 

◆中期のトレンド転換は?
例えば、2007年12月を終わり時点とするドル円相場の過去5年分の週足チャートを見ますと、3年ほど続いた円安トレンドが終焉を向かえ、円高トレンドに入ったと見ることができます。

 

この中期トレンドの転換点には、しばしば先進国の為替政策や経済状況といった先進主要国を中心とした経済的な出来事が影響を及ぼすことが多いようです。

 

現在、サブプライム問題のような、先進国の金融危機を中心として起きた経済問題が、世界経済に大きな影響を与えていますが、中期的な週足チャートにおいて明らかにトレンドを転換させた要因であることがわかります。

 

今後は、このトレンド転換が長期トレンドの転換になるのかが注目されるところです。

 

◆短期のトレンド転換についてはどうですか?
例えば、日足チャートで2007年の短期トレンドを見ますと、円安・円高局面が交互に訪れていることがわかります。

 

これは、中期トレンドや長期トレンドに影響を及ぼす要因であることはもちろんですが、この短期トレンドの転換には、経済指標や要人発言、投資家のポジションや心理、ウワサなど様々な要因が影響を及ぼします。

 

なお、多くの外為市場参加者がこの短期トレンドの中で勝負をしていますので、個人投資家も長期トレンドで一応の大局観を持ち、中期トレンドに影響を及ぼす要因を相場観の軸としながら、中期トレンドの中に現れるいくつかの短期トレンドを形成する要因を捉えて、日々の投資判断をしていくようにしたいところです。

 

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テクニカル分析の種類は?

テクニカル分析というのは、次の2つに大別されます。

 

トレンド系
⇒ 価格推移の形状・傾向などで上昇・下落・横ばいのトレンドを把握し、トレンドの反転や転換点を見極めるテクニカル分析です。

 

オシレーター系
⇒ 価格上昇・下落などの勢い・スピードの強弱を、公式に当てはめて数値によって判断するテクニカル分析です。
⇒ 代表的なものに、次のようなものがあります。
・RSI(Relative Strength Index)
・MACD(Moving Average Convergence/Divergence)
・ストキャスティックス...など

 

◆トレンドラインとは?
トレンドラインというのは、テクニカル分析の用語の1つであり、相場の上昇・下降のトレンド(趨勢)がグラフ上でよくわかるように引いたラインのことをいいます。

 

◆トレンド追随型指標とは?
トレンド追随型指標というのは、テクニカルチャートの1つで、主としてトレンドの方向性を分析する指標のことをいいます。

 

◆ローソク足とは?
ローソク足というのは、1日や1週間、あるいは1分など一定期間の価格変動を、次の4つで示し、黒や白の色分けされた「足」で表現する、日本では一般的なチャートのことをいいます。

 

■始値(最初の値段)
■終値(最後の値段)
■高値(一番高い値段)
■安値(一番安い値段)

移動平均線によるテクニカル分析とは?

移動平均線は、様々なテクニカル分析の中でも、最も利用されているものといえます。

 

この人気の高さの理由の1つとして、過去にアメリカの株式市場を動かしたという伝説があげられます。

 

ハットン・デイリー・マーケット・ワイヤー通信社の記者であり、移動平均線の開祖であるジョセフ・グランビル氏は、移動平均線を用いたアメリカ株式市場に対する相場予想において、驚異的な高的中率を誇りました。

 

彼の相場予想は1970年代後半から人気を博し、グランビル氏の売り・買い推奨によって株式市場が上下するほどにまでになっていました。

 

しかしながら、1980年代に入ると、グランビル氏が株式市場暴落を警告し続けたにも関わらず、アメリカ株式市場は上昇し続けたことから、やがて彼の人気は薄れていきました。

 

とはいえ、グランビル氏が相場予測に使用していた分析手法である「グランビルの法則」は、現在でもしばしばテクニカル・アナリストなどに利用されています。

 

◆移動平均線の使い方は?
1本の移動平均線と価格推移を比較したり、期間の異なる移動平均線を複数本引いて※価格推移と比較するなど、移動平均線の組み合わせは様々です。

 

平均の計算方法についても、単純移動平均・加重移動平均・指数平滑移動平均などがあり、こちらも利用者に選択が任されています。

 

※例えば、短期線と長期線2本、または短期線・中期線・長期線の3本

 

◆ゴールデン・クロスとデッド・クロス
上記のいずれの組み合わせを使用しても、期間の短い移動平均線(短期線)が期間の長い移動平均線(長期線)を下から上に突き抜けることを「ゴールデン・クロス」といいます。

 

また、これは買いシグナルとされています。

 

また逆に、期間の短い移動平均線(短期線)が期間の長い移動平均線(長期線)を上から下に突き抜けることは「デッド・クロス」といい、売りシグナルとされています。

 

◆移動平均線の問題点とは?
移動平均線というのは、もともとサイクルや始点など、時間に関することを利用者が自由に決められることになっています。

 

なので、例えば10日と25日を組み合わせた場合と、25日と75日を組み合わせた場合とでは、同じ通貨ペアの同じ期間に対しても、売りと買いのシグナルにズレが生じます。

 

このような移動平均線のサイクルや始点など、時間に関する問題というのは、実はほぼすべてのテクニカル分析に当てはまります。

テクニカル分析の欠点は?

テクニカル分析の解説書などには、次のように説明しているものが多いです。

 

⇒ 銘柄により価格推移の特徴は異なるので、どのサイクルがその銘柄に合っているのかどうかということについては、十分に検証した上で売買タイミングを計りましょう。このような点から考えましても、テクニカル分析には、次のような欠点があるということがいえるのです。

 

■利用者により勝手に条件が変えることができる。
・10日、25日、75日などのサイクルの設定など
■形状を視覚的に判断するなどアナログな点がある。
■一貫性に欠けている。

 

◆チャートの欠点は?
前述した時間に関すること以外にも、トレンド系チャートには、トレンドを見極めるために複数の線を引くという問題点をあげることができます。

 

具体的には、代表的なトレンド系チャートである一目均衡表は5本、ボリンジャーバンドに至っては6本も線を引きます。

 

また、オシレーター系チャートの場合には、売買シグナルが頻繁に出現するという問題点があります。

 

このように、何本も線を引いたり、売買シグナルが頻繁に出現すれば、どれかは当たるだろうというのがテクニカル分析に批判的な人たちの意見のようです。

 

◆ファンダメンタルズ分析と合わせて利用する
テクニカル分析が全く使えないというわけではないのですが、最近は、雑誌や書籍にあまりにもテクニカル分析が誇大表現されているものが多くなっていますので、ある意味注意も必要であるということです。

 

例えば、企業の業績が悪化すれば、テクニカル分析においていくら買いシグナルが発生られていようとも株価は下がります。

 

また、アメリカが断固とした為替政策を遂行すれば、テクニカル分析でどのようなシグナルが発せられようとも、米ドルはアメリカの為替政策が推し進める方向に動きます。

 

つまり、テクニカル分析だけを盲目的に信じていたら危険であるということです。

 

よって、テクニカル分析を学ぶ際には、その本質を踏まえて、何か1つ得意な分析手法を習得し、ファンダメンタルズ分析と合わせて利用することをオススメします。

 

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ストキャスティクスとは?

ストキャスティクスというのは、代表的なオシレーター系指標の一種です。

 

ストキャスティクスは、ある一定期間の高値と安値の値幅に対する当日の終値の相対的な位置によって、買われすぎ、売られすぎを評価するものです。

 

このストキャスティクスでは、%Kと%Dという2本の線の関係が重要で、その数値は0〜100%で表示されます。そして、一般にストキャスティクスは、次のように判断します。

 

■%K(Kライン)が70%以上の場合 ⇒ 買われすぎ
■%K(Kライン)が30%以下の場合 ⇒ 売られすぎ

 

ただし、このKラインだけではシグナルとしては不十分なので、Kラインを修正した%D(Dライン)を以下のように合わせて併用します。

 

■Dラインが70%以上でKラインと交わったとき ⇒ 売りシグナル
■Dラインが30%以下でKラインと交わったとき ⇒ 買いシグナル

 

特に、85%以上の領域にあるときの売りシグナル、15%以下の領域にあるときの買いシグナルは、信頼性が高いと言われています。

 

しかしながら、このKラインとDラインの関係は、実際にチャートを見ていただくとわかりますが、少々荒くて、見にくいという欠点があります。

 

そこで考え出されたのが、「スローストキャスティクス」というラインになります。

 

◆スローストキャスティクスとは?
スローストキャスティクスというのは、ストキャスティクスのKラインにDラインの役割を持たせつつ、本来のDラインの役割をslow%D(SDライン)に持たせたものです。

 

これによって、スローストキャスティクスのチャートは、ストキャスティクスよりも滑らかで見やすくなっています。

 

実際に、ストキャスティクスとスローストキャスティクスを見比べてみるとよくわかるのですが、ストキャスティクスでは、ゴツゴツしていてFX初心者の人ですと、どこが売買ポイントなのかよくわからないかもしれません。

 

しかしながら、スローストキャスティクスでは、それが滑らかですのでよくわかると思います。

 

◆スローストキャスティクスの売買ポイントは?
一般的なスローストキャスティクスの売買ポイントは、次のようなものになります。

 

■%SDラインが85%以上で%Dが%SDを上から下抜いた場合 ⇒ 売りシグナル
■%SDラインが15%以下で%Dが%SDを下から上抜いた場合 ⇒ 買いシグナル

 

スローストキャスティクスについては、これだけ覚えておくだけでも十分実践で役に立ちます。

MACDとは?

MACDというのは、2本の移動平均線に改良を加え、特殊加工を施して完成させた分析手法ともいえ、トレンド転換を非常にすばやく捉えることができる指標であることから、根強い人気を誇っています。

 

◆MACDの売買ポイントは?
MACDでは、先行する線と遅行する線が重なり合ったポイントが、最も重要な売買シグナルであるポイントを示します。

 

■先行線が遅行線(シグナル)を上抜くゴールデンクロス ⇒ 買いシグナル
■先行線が遅行線(シグナル)を下抜くデッドクロス ⇒ 売りシグナル

 

さらに、ゼロの線のレベルを上抜け(下抜け)れば、より強気の乖離を意味することになります。

 

◆スローストキャスティクスとMACDの関係は?
スローストキャスティクスもMACDも、ともにローソク足の動きとリンクしています。

 

そして、トレンドが変わるときは、まず先行するスローストキャスティクスが動くと、少ししてからMACDも動くのですが、このタイミングのズレが、今後の為替相場のタイミングを掴みやすくします。

 

つまり、この2つのチャートの動きを見ていれば、スローストキャスティクスが動いたときに、もう少したてばMACDが動くのかなという心の準備ができますので、焦ってタイミングを間違えることもなくなります。

 

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