直接投資と間接投資の相場への影響〜/ヘッジファンドとマーケットの動き...

証券投資と円高・円安

対外証券投資の金額が対内証券投資の金額を上回っている場合は、円を売って外貨を買う動きの方が大きくなりますので、円安要因になります。

 

反対に、対内証券投資の金額が対外証券投資の金額を上回っている場合は、外貨を売って円を買う動きの方が大きくなりますので、円高要因になります。

 

ちなみに、対外証券投資と対内証券投資の金額は、それぞれ公表されています。

 

そして、ヘッジファンド、機関投資家、個人投資家などが行う投資や投機の多くは、株式や債券などの金融商品の売買を通じて行われます。

 

ただし、このような投資行動というのは、現地通貨の借入れによって行われたり、為替リスクを100%ヘッジして投資する場合もあるので、数字をそのまま鵜呑みにしないようにしたいところです。

直接投資と間接投資の相場への影響は?

資本取引のなかでも直接投資というのは、貿易取引と似たような性格をもっています。

 

これは、工場を設立するための投資や、国境を越えた企業買収のための投資などは、基本的に長期的な視野に立った投資になるためです。

 

よって、直接投資というのは、短期的に相場を大きく動かす要因にはなりません。

 

一方、間接投資というのは、例えば、3か月とか1年というように、比較的短期間の投資になることが多いので、買ったものについては、近い将来に売りとなって市場に出てきます。

 

よって、最終的には元に戻るのですが、一時的には相場を大きく動かす要因となります。

 

◆直接投資が相場を動かす場合は?
直接投資も場合によっては、相場を大きく動かす要因となることがあります。例えば、一時的に大きな金額で企業買収が行われるケースなどです。

 

こういうのはある種のファッションのようなものでもあるのですが、一定期間に大勢の投資家が同様の動きをすると、市場には大きな影響を与えることになります。

 

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機関投資家と個人投資家

投資家や投機家というのは、世界中の市場をいつも監視していて、どこに投資したら最も儲かるのかを虎視眈々と狙っています。

 

この場合の投資家というのは、機関投資家と個人投資家に分けられます。

 

機関投資家というのは、人のお金を預って運用するプロの集団のことをいいますが、一方、個人投資家というのは、自分のお金の運用を人に任せないで、あくまでも自分で運用する人のことをいいます。

 

◆企業買収の為替取引
企業を買収する際には、次のようなパターンで、それに必要な資金を確保する必要があります。

 

手持ち資金を外貨に替えて資金にするケース
・このケースが一番単純なケースになりますが、この場合は、実際に為替取引が行われますので、多かれ少なかれ相場に影響を与えます。
現地で資金調達するケース
・例えば、日本企業が米国企業を買収するときに、米国でドル建ての社債を発行して、買収に必要なドル資金を集めるという方法にです。
株式交換を使って企業買収を行うケース
・増資によって自社の株式を発行し、その株式を買収のターゲットである企業に渡すという方法です。

 

ちなみに、現地で資金調達するケースと、株式交換のケースでは、為替取引は発生しません。

 

ただし、実際の企業買収では、上記の3つの方法を組み合わせて行われる場合が多いので、直接投資が活発になったからといって、実際にどの程度、為替相場に影響を与えるのかというのはわかりにくいといえます。

 

よって、大型買収案件の噂に乗じて相場を動かそうとするファンド等によって、一時的に為替相場が動くこともあります。

 

しかしながら、その後、現地で買収資金を調達したり、株式交換を用いたりするなど、為替取引が発生しない買収だということがわかると、外国為替市場には失望感が漂い、一気に相場が反落する場合もあります。

 

このような場面で、最初の動きについていってしまいますと、結果的に相場の反落のときにやられてしまいがちですので、注意が必要です。

相場形成の流れは?

為替相場というのは、次のような流れから形成されていきます。

 

初期
・この時点では、本当に一部のプロの投資家が、独自の分析や一部の秘密情報などに基づいてポジションを仕込みます。この時点では、仕込んだ方向に相場が大きくことはなく、どちからといえば静かな展開となります。
本格期
・これからマーケットで起ころうとしている現象に、次第にプロの機関投資家や一部の個人投資家が気づき、実際に投資行動を取り始めます。この時期になると、相場が本格的に動き始めまトレンドが形成されていきます。
末期
・この時期は出遅れた機関投資家や、多くの個人投資家、つまり一般大衆が動き出します。この時点では、初期にポジションをつくったプロは、反対に利益確定の動きを見せ始めます。

 

そのため、売りと買いがぶつかり合い、最初は高値圏や安値圏で激しい乱高下が繰り返されます。

 

その後、本格期から参加していた投資家が利益確定のための手仕舞いを開始すると、トレンドは完全に崩れ、相場は本格的に反転していきます。

 

そして、この動きに取り残された一般大衆が、ようやく損切りを始めると、反転が終了するという現象が起こります。

乗り遅れないという群集心理の意味は?

例えば、インターネット上で、ポンド円を買って数百万円を儲けたという記事をみかけたとします。色々と他のブログなどを見てまわると、似たような記事をいくつも目にします。

 

そして、気になってチャートを確認してみると、確かにポンド円は上昇トレンドのように見えます。

 

そのとき、「多くの人が、こんなに上昇しているポンド円を買っていたなんて、自分も乗り遅れてはいけない。まだまだ上がるに違いない。」と考えるようになります。

 

そう考えると、もういてもたってもいられなくなり、いま買ったとして、もし相場が逆に動いたらどこで損切りするのか、ということも考えずにポジションを持ってしまうのです。

 

こうした群集心理は、まさに相場の末期に起こるわけですが、ここでは相場の初期にポジションを仕込んだ人たちは、利益を確定して売り抜けているのです。

 

つまり、相場の初期にポンド円を買った人というのは、相場の末期でポンド円を売ろうと思ったときに、大衆が買いに向かっていくので、理想的なレートで手仕舞いすることができるのです。

 

しかしながら、相場の末期でポンド円を買った人というのは、そう簡単に利益を確定させることができません。

 

なぜなら、相場の末期というのは、当初は乱高下するので、多少反対方向に動いたとしても、再び元のレートに戻ってくるのですが、いったん本格的に反転し始めると、今度は流動性がなくなって、売ろうにも売り手ばかりになってしまい、どんどん相場が下落してしまうからです。

 

こうなってしまうと、手仕舞いしようと思っても、なかなか値段についていけなくなってしまいます。

 

つまり、あまりにもレートが悪いので「そんなレートでは売れない」と思ってしまい、さらに損失が膨らんでしまうのです。

 

こうしたパターンが繰り返されると、まさに悪循環です。よって、相場は流動性の高いときに止めるのが基本になります。

 

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新聞報道と相場の反転

人というのは、ある現象がはっきりと形にあらわれないと、なかなか行動できません。

 

反対に、自分の知り合いが大儲けしたといったような、具体的な例を見せられたときや、視覚に訴えるようなものがあって初めて行動を起こす傾向が強いです。

 

一般大衆は、ここをプロに利用されてしまうのです。例えば、経済新聞などの経済面というのは、その多くは、いま現在起きている現象を伝える記事です。

 

つまり、すでに起きてしまったことを報道しているに過ぎないのです。

 

なので、記事の中にあるコメントも「まだまだいまの状況が続く」といった方が受けがいいので、コメントの内容にもバイアスがかかりやすくなります。

 

よって、新聞で大きく報道されているときは要注意となります。すでに相場の流れは終焉にまできていると考えておいた方がよく、細心の注意をもって相場に向かう必要があります。

ヘッジファンドとは?

ヘッジファンドというのは、自己資金だけでなく、外部からの借入れを利用して投資金額を大きくし、レバレッジをかけて儲かりそうな世界中のマーケットに投資をします。

 

よって、ヘッジファンドの動きがマーケットを大きく動かすケースも多いです。

 

◆ヘッジファンドとマーケットの動き
ヘッジファンドは、投資家から集めた資金を運用していますので、もちろん、運用実績が上がらなければ、ファンドそのものが解散に追い込まれる可能性もあるわけです。

 

しかしながら、その前提としてマーケットが動いてくれなければ、運用実績も上げられません。

 

なので、しばしばヘッジファンドは、マーケットを動かすために相場に仕掛けをすることもあります。

 

ちなみに、他の投資家も、ヘッジファンドの動きには注視していますので、ヘッジファンドが動けば、それに追随して同じポジションを持とうとします。

 

そのため、マーケットの動きは一層加速することになるのです。

 

◆投機筋の仕掛けの材料は?
投機筋の仕掛けの材料には、金利差や米国の為替政策などがあります。

 

しかし、金利差は過去においては、かなり短命に終わっているので、金利差によって大きなトレンドをつくるというのは困難なようです。

 

一方、米国の為替政策は、最大の材料となっているようです。それは何と言っても、為替市場において、米ドルは世界の基軸通貨だからといえます。

 

原油の取引もゴールドも、ドル建て表示なように、米ドルは、世界中で高い信頼性を得ています。

 

よって、外国為替市場の取引に参加している投資家の多くが、米ドルの動向、またそれを左右する米国の為替政策の行方に注目しているのです。

カーターショック時の為替政策は?

1978年のカーターショックのとき、米国の貿易収支は大幅な赤字が進んでいました。

 

さらにそれだけでなく、インフレ率も大きかったので、1米ドル=230円台から175円台にまで急落していました。

 

これに対応するため、カーター大統領は、為替介入策や金利引き上げ策を盛り込んだドル防衛策を発表しました。

 

これにより、米ドルは暴騰し、それ以降は、大きな上昇トレンドに入ったのです。

 

◆通貨高のメリット・デメリット
通貨高のメリットとデメリットは、次のようなものです。

 

通貨高のメリット
・その国の通貨の購買力が高まります。
・インフレを抑制できます。
通貨高のデメリット
・産業の空洞化進んでしまう。

レーガン政権の為替政策は?

レーガン大統領は、「強いアメリカ」を標榜して登場したこともあり、強い国の通貨も強くなるべきという信念から、強いドル政策を講じました。

 

そのため、海外諸国から米国に投資資金が集中し、どんどんドル高が進んでいきました。

 

◆レーガン政権下での米ドル高のデメリットは?
米ドル高により、米国から産業がどんどん海外へと出て行ってしまい、米国内の雇用が冷え込んでしまいました。

 

つまり、米国の輸出産業型企業にとっては、ドル高はネガティブな問題となり、米国で産業が空洞化してしまったのです。

 

そこで、レーガン大統領は、ドル高を食い止めるために、1985年の9月のプラザ合意を打ち出したのです。この効果は非常に高く、大幅に円高ドル安が進みました。

 

実は、当初は1ドル=180円程度のところまで円高が進んだら止めるつもりだったと言われていますが、一度勢いがつくとマーケットは行き過ぎてしまうもので、結局このときは、1ドル=120円付近まで円高ドル安が進みました。

 

◆日本と欧州の為替政策の違いは?
日本と欧州の為替政策に対するスタンスには大きな違いがあります。日本は輸出主導国ということもあって、自国産業を守る必要性から、極端な円高に進むことを嫌がります。

 

しかし、欧州の場合は、ドイツやフランスのような輸出国があるにもかかわらず、日本とは反対に自国通貨安を嫌がります。

 

これは、以前にドイツがハイパーインフレい悩まされた経験があるので、インフレを抑制する効果のある自国通貨高を好むためと考えられています。

 

実際、欧州の中央銀行の政策をみると、何よりもインフレを阻止することが最重要だということが感じられるはずです。

クリントン大統領の第一期は?

クリントン大統領の第一期は、日米貿易摩擦が盛り上がっていた時で、当時は日本の貿易黒字がクローズアップされていました。

 

そして、貿易不均衡は通貨の強さによって是正されるという見解が注目されていたこともあり、当時の米国は日本に対して、規制緩和によって内需拡大を行わなければ、円高に進めるつもりであるというプレッシャーをかけてきました。

 

そのため、1995年4月には1ドル=79円台まで円高ドル安が進みました。

 

ちなみに、このときの財務長官はベンツェン氏でしたが、彼は産業界出身だったこともあり、ドルを安くすることにより、米国の産業界にプラスになるような為替政策が取られました。

 

◆クリントン大統領の第二期は?
米国では、為替政策は財務長官に委ねられていますので、どういった人物が財務長官に就任するのかによっても、為替政策に特色が出てきます。

 

クリントン大統領の第二期の財務長官は、ロバート・ルービン氏でした。ルービン氏はウォールストリート出身だったこともあり、強いドル政策を取りました。

 

ドルが強くなれば、ウォールストリートにお金が集まり、それにより、金利が低下して株価が上昇するので、最終的には景気がよくなるという考え方です。

 

実際、この為替政策により、1998年には1ドル=147年台にまで円安ドル高が進みました。

 

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