資産維持期のFXと株式投資〜/円高と円安の違い〜/ボラティリティと損益〜

ロールオーバー・キャリートレードについて

スポット取引というのは、2営業日後に決済を行うのがルールになっています。

 

しかしながら、投資家としては、取引のわずか2営業日後に、その都度通貨の受け渡しをするのは非常に面倒です。

 

また、フォワード取引の場合でも、決められた期日の相場によっては、さらに同じポジションを保有し続けたいときもあるわけで、一度決済した後に、また同じ注文をするのも面倒です。

 

なので、FX(外国為替証拠金取引)では、決済日を自動的に繰り延べるための仕組みが採用されています。

 

ちなみに、スポット取引では「ロールオーバー方式」、フォワード取引では「キャリートレード方式」と呼ばれています。

スポットとは?

スポットというのは、直物取引のことです。インターバンク市場の場合は、取引日から2営業日後が決済日となり、取引外貨とその対価の受け渡しが行われます。

 

◆FXの取引時間は?
FXの取引時間は、日本時間の月曜朝7時からニューヨーク時間の金曜午後5時※までです。ちなみに、この時間帯は、銀行の為替担当者が取引を行っている時間と同じです。

 

また、外国為替の取引は、その時々に中心となる市場の動向により、取引の薄くなる時間帯はありますが、原則として24時間動いていますので、いつでも注文可能です。

 

とはいえ、投資家のほうは24時間相場を常時注視しているわけにはいきませんので、「逆指値」によるストップ・オーダーを入れることができる仕組みになっています。

 

※日本時間の土曜午前7時、米国夏時間では土曜午前6時です。

資産維持期のFXとは?

資産維持期には、FXによって外貨を保有することで、仮に日本の円が大幅に下落(超円安)しても、資産を失うリスクを避けることができます。

 

現金であれ預金、株式であれ、円通貨の資産は円があってこそのものです。つまり、日本国家の信用があってこその資産といえるのです。

 

現在、日本の国家財政というのは、先進国の中では最も深刻な状況で、その解決策は、預金封鎖かデノミか、などと一部ではささやかれているのです。

 

もちろん、それが現実のものとなるか否かは誰にもわかりません。

 

しかしながら、FXで外貨建て資産を保有していれば、そうしたリスク、つまり円の価値が急落するというリスクについては回避することが可能になるのです。

 

ただし、これについては、円高とか円安とかいったレベルの利益を求める投資方法ではありませんので誤解のないようにしてください。

 

どちらかといえば、リスクヘッジとして資産の一部を他の通貨に分散させるという方法になります。

 

◆株式投資との違いは?
株式投資の場合には、証券取引所の「価格優先の原則」と「時間優先の原則」によって、フェアな執行が行われることが期待できます。

 

しかしながら、FXは相対取引なので、フェアな執行を保証してくれる機関というのは介在しません。

 

よって、投資家の注文が迅速・確実に執行されるかどうかは、FX業者次第といえるのです。

 

◆FX会社が倒産したら…
FXの場合、取引所取引と比較して、FX会社への依存度が高くなります。

 

例えば、証券会社を通じて株式の売買をする場合は、法令に準拠して株券などの顧客資産は分別管理されています。

 

なので、もし証券会社が倒産したとしても、投資家は保護されることになっています。しかしながら、FXの場合には、こういった公的なルールというものがありません。

 

よって、FX会社が倒産してしまうと、預託証拠金を取り戻すのは非常に困難です。そのため、FX会社の財務状況や信用状況には常に注視していく必要があります。

 

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外国為替市場とは?

FX取引というのは、通貨を売買するものですが、この通貨の売買が行われるところを外国為替市場といいます。

 

しかしながら、外国為替市場には、株式市場のように現実に建物があるわけではありません。通貨の売買をしているすべての取引をまとめて外国為替市場と呼んでいるからです。

 

ちなみに、一般的に外国為替市場という場合には、銀行が通貨の売買を行うインターバンク市場を指します。

 

それに対して、事業法人、機関投資家、個人投資家などが参加している市場は、対顧客市場と言います。

 

このように、外国為替市場というのはバーチャルな取引空間において、金融機関を中心に相対で取引が行われているといえます。

 

◆24時間取引とは?
FXは土日を除いて、24時間取引が可能です。ただし、詳しく言いますと、取引業者により若干前後しますが、月曜日の午前6時頃から土曜日の午前6時頃までとなります。

 

また、取引業者によっては、システム的に毎日10分程度取引ができないところもあります。

 

さらに、海外には夏時間と冬時間があり、その場合、1時間ほど時間がずれますので注意が必要です。

フェアな為替レートとは?

FX会社が提示する為替レートというのは、そのFX業者の背景に銀行がついている場合や、為替ブローカーがいる場合とでは、いざというときの提示レートに差が生じます。

 

また、背景についている銀行が1社のみなのか、それとも複数なのかによっても、提示レートに差が生じます。

 

よって、FX会社を選択するうえで重要なのは、常にフェアな為替レート(or スワップポイント)を提示してくれる業者を選ぶということになります。

 

ちなみに、取引の執行が迅速でなければならないというのは当然です。

 

◆インターバンク市場とは?
インターバンク市場というのは、主に銀行間で行われる外国為替市場のことをいいます。

 

個人投資家が取引業者に出した注文は、最終的にはこのインターバンク市場において銀行間で売買されることになります。

 

また、このインターバンク市場での為替レート(インターバンクレート)が、FXに利用されるレートの基準になっています。

 

◆対顧客市場とは?
対顧客市場というのは、インターバンク市場に対する市場のことです。また、対顧客市場は、銀行が次のものと通貨取引を行う市場のことをいいます。

 

■事業法人 ⇒ 商社や輸出入業者など
■機関投資家 ⇒ 生命保険会社、損害保険会社など
■ヘッジファンド...など

 

なお、個人投資家もこの対顧客市場の中に含まれます。

FX業者に対するニーズとは?

投資家にとっては、取引できる通貨ペアが多いFX業者の方が選択の幅が広がります。 また、次のような注文方法あるなどその種類も多いに越したことはありません。

 

■指値
■逆指値
■IF DONE
■OCO...など

 

さらに、証拠金取引といっても為替取引なので、差金決済以外に、通貨そのもの、すなわち現物のデリバリーをしてもらえるかどうかということも気になります。

 

また、FX取引業者の中には、投機目的の個人投資家のみでなく、実際に輸出入を手がけている事業者の方もいます。

 

なので、そのような顧客にとっては、為替予約やヘッジなど実需に対応できる事業者であるということも取引の前提条件になります。

 

ちなみに、実際に現物のデリバリーに対応できるかどうかというのは、そのFX業者の信用状況やバックグラウンドの確かさを判断するうえでも重要なポイントになります。

 

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外国為替市場の規模は?

外国為替市場というのは、1日およそ1兆5千億ドル(150兆円)もの取引が行われる、世界最大の金融市場です。

 

この規模により、インサイダー情報の影響を受けにくいと言われています。

 

株式投資の場合、インサイダー情報は違法ですが、インサイダー情報がないとも言い切れないのが現実です。

 

しかしながら、FXでは市場規模が大きいので、インサイダー情報によって一部の人が不当な利益を得る可能性は、株式市場よりも低いといわれています。

 

これは、動かせる資金の小さい個人投資家にとっては、情報面での不利な状況が発生しにくいというメリットとなります。

 

◆FXの取引時間は?
FXは、24時間取引可能です。これは、市場規模が大きく、相対取引であることから実現されていることです。

 

具体的には、日本時間の早朝、オセアニアを中心に取引が始まり、アジア、ヨーロッパ、ニューヨークと取引の中心となる市場を移しながら、24時間取引が行われています。

 

一般的には、ヨーロッパ市場が最も取引量が多く、為替レートも一番動くと言われています。

 

FXは日本のサラリーマンのための投資商品であると言われることもありますが、これは、24時間取引可能であることや、日本時間の夕方以降に市場が最も活発に動くことところにもあるようです。

 

◆通貨の受け渡しとは?
FXで通貨の受け渡しができるのは画期的です。

 

もともと為替取引というのは、通貨の交換のことですが、外為法の改正後は「何人たりとも通貨の交換は自由」とされています。

 

なので、たとえ証拠金による取引であっても、実際に通貨の交換ができるかどうかというのは、注目すべき点といえます。

 

外国企業と取引を行っている企業など外貨の実需を伴う投資家の場合は、通貨の受け渡しができるかどうかというのは、FX会社の選択の際の重要なポイントとなるはずです。

 

本来ですと1本=100万ドル単位での取引が通常であったものが、1本=1万ドル単位で取引できるようになり、しかもドル通貨での受け渡しが可能になったのですから、大企業だけでなく、貿易に携わる中小企業や個人事業主にとっても朗報といえそうです。

 

最近は、ユーロ圏との取引がある中小の事業法人も増えているようなので、ドル/円だけでなくユーロ/円の受け渡しに対する実需のニーズも高まっていると思われます。

 

◆相対取引とは?
相対取引というのは、市場参加者が1対1の関係で価格を決め、売買する取引のことをいいます。要するに、価格は株式投資のように一律ではないということです。

 

株式投資の場合ですと、銘柄が多いので、個々に取引をした場合には流動性が低下するリスクがあります。

 

しかしながら、FXの場合は、取引総量が1日1兆5千億ドルもある世界最大の金融市場ですから、流動性が確保でき、相対取引が成り立つのです。

 

円であれドルであれ、通貨というのは国が発行しているものですから、株式とは信用力が違います。なので、皆、安心して売買できるということです。

 

ただし、個人投資家にとって問題なのは、取引業者によって価格が異なることです。FXで取引業者選びが重要であるというのは、実はこのようなことを指しているのです。

標準偏差とボラティリティ

標準偏差というのは、ボラティリティを統計学的な数字として表すための指標です。

 

わかりやすく言うと、平均値からかけ離れた値(価格)が、どれだけの確率で発生するかということを示すものです。

 

最近は、相場のボラティリティを把握するために、過去何週間とか過去何日間といった短期におけるこの標準偏差が使われることが多くなっています。

 

ドル/円の為替相場では、例えば、1日で1ドル当たり2円以上変動する確率が5%以上あるかといったことを踏まえながら、その期間の相場のボラティリティを考え、それが自分の運用資産にとってどれだけのリスクになるのかということを考えます。

 

ドル/円相場について言えば、1ドル=360円の頃と比較すると、いまは3分の1程度の水準で推移していますから、それだけボラティリティは低くなっているといえます。

 

こうした歴史的な相場変動のなかで、現在の相場水準を考えるということも非常に大切なことです。

 

◆ボラティリティと損益
当然ですが、ボラティリティが高い相場では、大きな利益を得られやすい半面、大きな損失も被りやすいといえます。

 

また反対に、ボラティリティが低い相場では、それほど大きな損失は被りませんが、その代わり、一定以上の利益を得るのは難しくなります。

 

よって、FXでは、いまどの通貨ペアのボラティリティが高くて、どの通貨ペアのボラティリティが低いのかといった相場動向を常に把握しておくことが重要です。

円高と円安の違いは?

円高と円安を考えるのに一番わかりやすいのは、海外旅行に行ったときのことをイメージすることです。

 

例えば、買い物のための資金を20万円と決めて海外旅行に行く際、1ドル=200円の場合は、1,000ドル分しか買い物ができません。

 

ところが、1ドル=100円になった場合には、2,000ドル分の買い物ができます。つまり、1ドル=100円の方がたくさん買い物ができる=円が強い=円高ということです。

 

反対に、1ドル=100円が200円になった場合には、買い物できる金額が減った=円が弱い=円安ということになるのです。

 

よくテレビのニュースなどで「今日は円高ドル安」などというのを耳にすることがあると思いますが、これは、円がドルに対して強くなったということを言っているのです。

 

ニュースなどではドル円の動きだけが伝えられることが多いですが、円はドルだけでなく、ユーロやオーストラリア・ドル、英ポンドなど様々な通貨に対してもレートが変化しているのです。

 

つまり、円高ユーロ安や、円安オーストラリア高などの状況が毎日発生しているということです。

 

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