SPDRゴールド・シェアと金現物/有事の金と米ドルの関係...

 

 

3,600円(税抜)の金現物価格は

SPDRゴールドではいくらになるの?

 

 

まず、金現物の価格を税込にして考えてしまいますと、消費税分ずれてしまいますので、円ベースの金現物の価格は税抜きで考えたほうがよいと思います。

 

【1326】SPDRゴールド・シェアの1株当たりの金重量は、0.1トロイオンス(約3.11)なのですが、これは上場時のものです。【1326】SPDRゴールド・シェアは投資信託なので、毎年、信託報酬費として、金重量の0.4%が差し引かれています。

 

例えば、本日現在ですと、0.1トロイオンスを下回っており、0.097552トロイオンスとなっています。これは、約3.034グラムに相当します。 実際、本日の相場で計算しますと、税抜き現物価格の3.05倍くらいになっていますので、大体あっているといってよいでしょう。

 

すなわち、3,600円の3.05倍は10,980円、3.03倍なら10,908円ということになります。

 

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SPDRゴールド・シェアと金現物ではどちらがお得?

 

【1326】SPDRゴールド・シェアの場合は、上場から数年が経つに従い、1株当たりの金重量が減っていくわけですから、3.11グラム当たりの現物価格よりも少しずつ安くなっていく、つまり、現物との乖離が開いていくものと思われます。ちなみに、上場から5年で1株当たり、3.048グラム、10年で2.988グラムくらい目減りしているはずです。

 

とはいえ、【1326】SPDRゴールド・シェアは、信託報酬費分の金が目減りするけれども、購入と売却は非常に簡単です。

 

これに対して、金現物の場合は、保管料はかかりますが、金重量が目減りすることはありません。また、自宅に保管しておけば、盗難の心配はあるものの、保管料はかかりません。上記のように、SPDRゴールド・シェアと金現物では、それぞれその特徴が異なりますから、それを知った上で利用するのがよいと思われます。

 

なお、将来的には、金(ゴールド)はまだまだ値上がりすると思われますので、【1326】SPDRゴールド・シェアであっても、毎年0.4%くらいの信託報酬はほとんど気にならない範囲かもしれません。

 

◆なぜ金(ゴールド)はインフレに強いのですか?
インフレというのは、モノやサービスの価格が継続的に上昇する現象のことをいいます。もう少しわかりやすくいうと、インフレとは、モノやサービスに対してお金の力が弱くなることを意味します。そして、モノやサービスは、場合によっては供給量を増やすこともできますが、金(ゴールド)は世界に存在する量が限られています。

 

というのは、金(ゴールド)は、人為的に増やすことは不可能であり、新たに採掘するにも限界があるからです。一方、お金というのは、その気になれば制限なく作ることも可能です。

 

ちなみに、第1次世界大戦で敗戦したドイツは、戦時中に発行した債券の穴埋めとして紙幣を大量に発行しましたが、その結果、物価は実に戦前の1兆倍以上に暴騰してしまいました。

 

 

原油価格の上昇が他の商品価格にリンクしている理由は?

 

原油価格の上昇によってガソリン価格が上昇するというのは、よく考えれば当然のことなのですが、事態はそれほど簡単ではありません。というのは、すべてのモノには輸送コストがかかるわけですが、特に食料や原料の多くを輸入に頼る日本では、まず海外から原材料を運ぶためのコストがかかります。

 

また、国内で輸送するときにはトラックが必要になります。このトラックの燃料費が高くなれば、輸送コストに跳ね返ってきますから、ある程度はモノの価格に上乗せせざるを得なくなるのです。さらに、モノを生産するときには電力が必要になります。

 

発電に必要な燃料の価格が上昇すれば、電気料金も上がりますから、やはり最終的にはモノの値段に上乗せされることになります。つまり、原油をはじめとするエネルギーというのは、経済活動の要であり、その価格が数倍になるということは、想像以上に大きな影響を与えることになるということがいえるのです。

 

◆「有事の金」とは?
過去の政治や経済が混乱した、いわゆる乱世を振り返りますと、決まって金市場にマネーが流入していたという事実があります。これは、「金(ゴールド)」が、株や通貨のような「ペーパー資産」とは異なり、実物資産として独自の価値を持っているからにほかなりません。

 

「有事の金」といわれるように、政治や経済が混迷する時にこそ、「金」はその輝きを増すといってもいいでしょう。

 

しかしながら、「金」という資産については、まだまだ個人投資家には馴染みが薄いように思います。「貯蓄から投資へ」という掛け声のもと、個人投資家が株や投資信託、FX(外国為替証拠金取引)などを当然のように始めるようになってから、色々と紆余曲折があったわけで、それもいたし方のないことなのかもしれません。

 

ちなみに、「金」というと、お金持ちが行う投資であると思われがちですが、実際には非常に簡単に月々3,000円から始めることができます。

 

 

「噂で買って、ニュースで売る」とは?

 

2003年のイラク戦争開戦直後、「金」は急騰どころか急落しました。これは、中東情勢に詳しいプロのディーラーたちが、その半年前から開戦必至と読んで、着々と「金」を買い増して、開戦とともに一斉に利益確定の売りに転じたからです。

 

その一方で、「有事の金」ということで、いま「金」は買いだと動いた個人投資家は高値掴みをする結果となったのです。これは、有事になってから「金」を買っても遅いということです。「噂で買って、ニュースで売る」という相場の鉄則があるように、「イラク戦争があるかもしれない」という噂の段階が買い場面です。

 

それが事実となり、ニュースで万人が知るところとなってしまえば、買いの材料としての新鮮味は全くなくなってしまうからです。一般的に言えることですが、メディアが金急騰と騒ぎ始める頃というのは、プロは既に「一相場終わり」と見ているのです。つまり、「金」は平時にコツコツ貯めて、有事に売るというのが基本です。

 

なお、金価格は2009年に入ってから、2月には1トロイオンス(約31.1g)当たり1,000ドル、6月には同990ドルと2度にわたり急騰しましたが、この時にも価格は1000ドル近くの高値圏に達するたびに反落しました。

 

やはり、メディアで騒がれている時には静観しているのがよく、反対に価格が反落して「金の輝きは失せた」といわれるような時が、実際には本当の買い時であるといえそうです。

 

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金には2000年の歴史がある

 

貨幣の歴史を見ますと、ドルの誕生は1785年、円の誕生は1871年、ユーロの誕生は1999年ですが、世界最古の金貨は紀元前6〜7世紀に誕生したといわれています。

 

つまり、2000年以上の貨幣としての歴史を持っている「金(ゴールド)」から見れば、ドルであれ円であれ、たかだか200年程度にすぎず、ユーロに至ってはわずか10年の歴史しかないということになります。

 

さらに遡ると、今より1万年ほど前の紀元前8000年頃には、「金」の価値が認識されていたとされています。これは、「金」が太古の昔から、富や権力の象徴として宝飾品や建造物などの装飾として用いられてきたからです。具体的には、例えば、次のようなものが代表的です。

 

■紀元前1350年頃のものとみられているエジプトのツタンカーメン王の「黄金マスク」
■1397年に足利義満が京都に建立した「金閣寺」
■1588年頃に豊臣秀吉が大阪城内に造らせた「黄金の茶室」...など

 

◆ユーロとはどのようなものですか?
ユーロというのは、欧州連合(EU)による欧州通貨統合の最終段階で登場した単一通貨のことをいいます。2008年時点では15カ国で流通し、域内の人口は3億人を超えていますが、この範囲のことをユーロ圏と呼びます。なお、ユーロ圏の金融政策は欧州中央銀行(ECB)が行っています。

 

◆基軸通貨とはどのようなものですか?
基軸通貨というのは、事実上世界経済で最も利用されている通貨のことをいいます。現在は、貿易や外貨準備、外国債券の多くが米ドル建てになっていることから、米ドルが基軸通貨とされています。

 

しかしながら、基軸通貨であり続けるためには、通貨としての価値が安定している必要があり、また、その通貨を使用している経済圏が、世界経済において主要な地位を占めている必要もあります。

 

 

米ドルの価値の低下

 

現状は、アメリカ経済が引き続き世界一の規模を保っていますが、巨大な人口を抱える新興国の成長により、シェアは年々小さくなりつつあります。さらに、次のような理由から、米ドルの価値は長期的に下落し続けています。

 

■1971年にアメリカがドルと金との交換を停止したこと。
■アメリカが恒久的な財政赤字・貿易赤字を抱えていること。

 

ちなみに、サブプライム問題に端を発する世界金融危機が起こったことにより、ドルの基軸通貨としての地位を危ぶむ声が世界中から上がっていますが、ではユーロが基軸通貨になりえるかというとそのように考える人も少ない状況で、先行きは不透明といえます。

 

◆資産四分法とはどのようなものですか?
資産四分法というのは、資産を次の4つに分散して保有・運用するという考え方のことをいいます。

 

■預貯金 ■有価証券
■不動産 ■金

 

ちなみに、かつては預貯金、有価証券、不動産の三分法が一般的だったのですが、最近は景気低迷の長期化を背景に、長い目で見たときに資産価値の値上がり期待や国際的に通用する資産としての「金」が注目されはじめ、この「資産四分法」という言葉が見聞きされるようになっています。

 

◆「金」と通貨の関係は?
「金」は世界共通の価値を持っていますので、金貨というカタチで価値の保存、交換手段として用いられた歴史もあります。金本位制といわれますが、各国が国内取引や輸出入の決済を金貨で行うようになったのです。

 

しかしながら、重い金貨をいつも持ち歩くのは不便だということで、「金」と交換できる紙幣というものが発行されました。近年は、しばしば「金はドルの代替通貨」などといわれますが、よく考えれば、これは「ドルが金の代替通貨」であったということがわかります。

 

それは、通貨の原点が「金」であったからです。つまり、「金」の裏付けがあったから、米ドルや英国ポンドもマネーとして認知されたのです。

 

 

なぜマネーは単なるペーパー資産となったの?

 

上記のシステム、すなわち「金」の裏付けのあるものが通貨であるというシステムには、重大な欠陥があったからです。この重大な欠陥とは、不況になったときに、景気浮揚のために市中に出回るマネーの量を勝手に増やせないということです。つまり、「金」がなければ不況をただひたすら耐え忍ぶしかないということになってしまうのです。

 

これではいけないということで、この際、「金」の裏付けのない、すなわち「金」とは交換することができない、単なるペーパーだけの紙幣にしてしまい、マネーの量を適宜増やしたり減らしたりできるようにしようということになったのです。そして、この口火を切ったのがリチャード・ニクソン大統領だったのです。

 

◆ニクソン・ショックとはどのような出来事だったの?
ニクソン・ショックのきっかけは、当時、ベトナム戦争の戦費がかさみ、米国経済の先行きが懸念される中で、世界の投資家がドル札を「金(ゴールド)」に交換してくれと米国に迫ったことにありました。

 

このままでいくと、早晩、米国の「金」在庫が底をついてしまうという危機的状況に迫られたため、ついに1971年に、一方的にニクソン大統領が、今日限りでドル札と「金」は一切交換に応じないと宣言したのです。

 

これが「ニクソン・ショック」であり、時代を変えるほどの出来事といわれています。ここに金本位制は終焉を迎え、「金」は公式の場では通貨としての役割を終えることになりました。

 

◆信用ベースのシステムの始まり
「金」とドルは交換できなくなりましたが、その代わりに米ドルが基軸通貨となり、為替が変動相場制に移行しました。これによって、米ドルの価値が人間の信頼によって成立する時代になったのです。つまり、信用通貨制度という信用をベースにしたシステムがスタートしたのです。

 

そして、米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)が「通貨の価値を守る番人」として役割を果たすようになりました。これは、ドルの価値を「金」ではなく、人間の知恵で支えるシステムに移行したことを意味しており、そのような観点からすると、“性善説”に基づく制度と言い換えることもできます。

 

 

基軸通貨制度の問題は?

 

基軸通貨の価値を人間が支える以上は、失敗がつきものともいえます。発行元である米国が経常赤字と財政赤字という「双子の赤字」を長期にわたり抱えていることが、米国経済への強い不信感となって表れたのです。

 

これにより、マーケットには常に「ドル不安」が付きまとい、為替市場はたびたびドルの価値の乱高下に悩まされることになったのです。その後の金価格は、ドル、インフレ、金融危機の歴史とともに歩んでいくこととなります。

 

 

強いドルと金価格の下落

 

1970年代には2度にわたる「オイルショック」後に、インフレが加速してドルの実質的価値が大幅に目減りしましたが、「金(ゴールド)」にはインフレヘッジの手段として買いが集中し、1980年代には1オンス=875ドルという当時の史上最高値を付けるに至ります。

 

しかしながら、インフレが一服すると事情は一変します。ロナルド・レーガン大統領が、“強いアメリカ、強いドル”を標榜して経済政策を行った結果、ドル高が進み、「金」は売りモードに突入したからです。1985年にはドル高がピークに達する一方で、「金」は281ドルという底値を付けました。

 

 

プラザ合意と金価格の上昇

 

1985年9月になると、行き過ぎたドル高を是正する「プラザ合意」によりドルは急落しました。これにより、「金」は再び上昇カーブを描くようになります。株価暴落に見舞われた1987年10月の「ブラックマンデー」の際には、金価格が瞬間的に500ドルを突破したこともありました。

 

このように、ドルが高くなると金価格は安くなり、反対にドルが安くなると金価格は高くなります。このドルと「金」の逆相関関係は長期にわたり「市況の法則」としてマーケットを支配していました。

 

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