外貨投資と外貨預金・預金保険制度/消費者契約法とは?

外貨投資は難しくない?

外貨建商品という言葉を聞いて何だか難しそうだな・・・と感じるかもしれませんが、国内の金融資産、たとえば預貯金でもいいですが、株式とか債券とか投資信託とか...でしたら、一度くらいは経験があると思います。

 

実は、外貨建商品も仕組みは国内の金融資産とほとんど同じなので、そんなに難しいことはないのです。ただ、国際経済状況が影響してきたり、為替変動によってリスクが増えることで、何となくしり込みしてしまうとか、難しいと感じるのかもしれません。

外貨投資は難しいものですか?

とはいえ、日本ではずっと前から外貨建投資ができたわけではありません。個人がわりと自由に気軽に外貨建投資ができるようになったのは、1998年の外為法の改正以降ですから、実はごく最近のことなのです。

 

日本では量的緩和が解除されたとはいえ、引き続き超低金利政策がとられると考えられますので、外貨建商品への投資は今後もますます増加していくものと思われます。

 

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ちなみに、外貨建投資は日本の金融商品と同じようなものなので特に難しいことはないと先程述べましたけれども、国内物とは異なり為替変動の影響をかなり受けますので、リスクに関しての認識がかなり重要になってきます。

 

国内金融商品と同じということですが、では外貨建商品には具体的にどのような商品があるのでしょうか?

 

これについては国内物と同じように、株式、債券、預金、投資信託などがあります。そして、これらの商品が円ではなく、米ドル、ユーロ、ポンドなどの各国の通貨で売買されることになるのです。 ちなみに、これら外貨建商品は国内と国外に分類されるのですが、これは所在地によって区分されることになっています。

 

国内というのは国内金融機関店舗に預ける外貨預金、国外というのは外国の金融機関店舗に預ける外国通貨による預金などのことをいいます。

預金保険制度というのはどのような制度なのですか?

前回は外貨預金は預金保険制度の保護の対象外ですよ!とお伝えしたところですが、今回は、預金保険制度についてもうすこし突っ込んで書いて見たいと思います。

 

外貨預金は預金保険制度の対象外とはいっても、国内金融資産についてまったく関心がない人はいないでしょうし、知っておいて損はありませんから。

 

預金保険制度というのは、金融機関が破綻した際に、預金者を保護したり資金の決済を行ったりすることですが、要はこの制度を通じて信用秩序を維持していきましょうということが本来の目的です。

 

この制度を運営しているのが、1971年に施行された預金保険法に基づいて設立された「預金保険機構」です。一時はマスコミやTVなどでもちょくちょくクローズアップされましたので、一度くらいは耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

そして、たいていの日本国内の金融機関は、この預金保険機構に加入することが義務付けられています。なので、次のような国内の金融機関であれば、自動的に預金保険制度の保護の対象になりますので、まずは安心です。

 

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具体的には?

具体的には・・・

 

■都市銀行、地方銀行、第二地銀 ■信託銀行 ■長期信用銀行
■信用金庫 ■信用組合 ■労働金庫 ■信用中央金庫
■全国信用協同組合連合会 ■労働金庫連合会...など

 

ただし、昨日も申し上げましたが、日本に本店がある金融機関であっても外国の支店は対象にはなりませんのでご注意ください。

 

日本に本店がない外国銀行の支店も同様です。あれ、郵便局が入っていないじゃないか!と思われた方、するどいですね。安心してください、郵便局も大丈夫です。

 

郵便局の場合は、郵便貯金法という別の法律があって、そこに「政府は郵便貯金として預入された貯金の払戻し及びその貯金の利子の支払いを保証する」という規定があるんですね。これによって、国によって貯金の元本と利子が全額保護されることになっているのです。

 

2003年4月に郵政公社になりましたけど、その後も引き続き国が保証することになっていることに変わりありません。

 

ここで、あれ、全額保護してもらえるの?と思った方・・・郵便局は1人1,000万円までしか原則として預け入れできませんので、事実上1,000万円がマックスになっているのですね。

 

なお、農協(JA)や漁協の場合も同様に、預金保険制度という法律の中には入っていませんが、農水産業協同組合貯金保険制度(貯金保険制度)というのがあって、それが預金保険制度と同じ役割を担っています。

 

ちなみに、農水産業協同組合貯金保険制度(貯金保険制度)ですが、これは、1973年に農水産業協同組合貯金保険法(貯金保険法)に基づいて設立され運営されています。目的はもちろん、農水産業協同組合が破綻したときに貯金者を保護し、信用秩序の維持に資することです。

 

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外貨預金・預金保険制度とは?

今回は、外貨預金と預金保険制度についてです。案外知られていないかもしれませんが、外貨預金は預金保険制度の対象にはなりません。

 

これは基本的には、日本に支店がない海外の銀行の支店や、仮に日本に本店がある銀行であっても海外の支店の場合には、預金保険機構に加入することが義務付けられていないからです。

 

なので、1,000万円までは保護されると思っていたのに...なんてことがないように外貨預金を考えている方はこういったことも頭に入れておきましょう。

預金保険制度とは?

預金保険制度とは何ぞや?という方もいらっしゃるかと思いますので、ここで少しご説明したいと思います。預金保険制度では、1人につき元本1,000万円とその利息までが保護されることになっています。

 

では、1,000万円を超えた分はどうなってしまうのだろう?全部あきらめなくちゃいけないの?と思われたかもしれませんが、そういうわけではありません。つまり、預金保険制度で保護されない1,000万円を超えた分とその利息については、精算配当というかたちで戻ってくる可能性もあるからです。

 

とはいえ、金融機関は破綻しているわけですから、その金額についてはその破綻した金融機関の財産状況によるということはいうまでもありません。 この精算配当が行われるときには、通常は精算までにかなりの時間がかかりますので、預金等の債権の買取制度によって支払が行われることになるようです。

 

ちなみに、この預金等の債権の買取制度というのは、預金保険機構が預金者からの請求によって預金等を買取るかたちで支払いをする制度のことです。 この制度によって破産手続が行われると、精算見込額(弁済が見込まれる金額)をもとにして概算払い率が決められ、それに応じて支払がなされることになります。

 

なお、この金額はあくまで見込み額なので、実際に預金保険機構が回収して経費などを差し引いてみたら、精算見込額よりも多かったなんていう場合には、その分もきちんと精算払いが行われますよ。

 

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預金保険制度の「資金援助方式」について

前々回から預金保険制度のことを取り上げていますので、さらに今回と次回を使って残りの論点を書いてみたいと思います。今回は、預金保険制度の「資金援助方式」についてです。金融機関が破綻した場合、預金保険制度では2つの方法の内から1つが選択されます。

 

その1つが「資金援助方式」であり、もう一つが「ペイオフ方式※」です。

 

この「資金援助方式」というのは、破綻した金融機関を救済する金融機関が出現した場合には、預金保険機構がその救済金融機関に対して、資金援助を行うという方法のことです。では、「資金援助方式」と「ペイオフ方式」はどちらか好きなほうを預金保険機構が選ぶのかというとそういうわけではありません。

 

それは、金融審議会の答申(1999年)では、次のように資金援助方式を優先するように言っているからです。

 

「金融機関が破綻した場合、破綻処理に要するコストがより小さいと見込まれる処理方法を選択するとともに、混乱を最小限に止めることが重要であり、金融機関の破綻処理方式としては、資金援助方式の適用を優先し、保険金支払方式の発動はできるだけ回避すべきである」

 

なぜ、「ペイオフ方式」よりも「資金援助方式」が優先されるのかといえば、「資金援助方式」の方がスピーディだからです。つまり、救済金融機関が現れればそれだけ破綻処理は早く進みますし、預金者への預金の支払いや受け入れ、貸付、決済などのサービスもすべて救済金融機関を通して受けることができるからです。

 

ちなみに、「資金援助方式」でも「ペイオフ方式」でも、保護される金額は同じです。1人当たり元本1,000万円とその利息が上限です。なお、譲受金融機関が現れない場合には、ブリッジバンク(承継銀行)が引継ぎ譲受金融機関を探すといったケースもあるようです。

 

※「ペイオフ方式」については、次回取り上げたいと思います。

預金保険制度のペイオフ方式について

今回で預金保険制度については最後です。前回は、預金保険制度には「資金援助方式」と「ペイオフ方式」の2つの方法がありるけれども「資金援助方式」が優先されるというお話しでした。

 

さて、今回は「ペイオフ方式」についてです。

 

「ペイオフ方式」方式というのは、要は、破綻した金融機関を救ってくれる金融機関があらわれなかった場合には、預金保険機構が直接預金者に保険金を支払うという方法のことです。なので、預金保険機構が実権をとったとき、つまり、この方式がとられた時点で破綻金融機関の金融機能は消滅することになります。

 

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では、保険金はいつ支払われるのでしょうか?

これについては、破綻金融機関で「名寄せ」の作業が済み次第支払われます。金額は、「資金援助方式」と同様に1人につき元本1,000万円とその利息が上限です。ここで、「名寄せ」という言葉が出てきましたが、あまりなじみのない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単にご説明いたします。

 

「名寄せ」というのは、預金者を特定する作業のことです。具体的には、1預金者を氏名、住所、生年月日などで確定することです。こういう説明をするといくつか疑問がわいてくると思います。「支店にいくつも口座をもっていた場合はどうなの?」とか「法人の場合は?」など...

 

結論から言いますと、1預金者というのは、「個人」「法人」「権利能力なき社団・財団」のことをいいます。

 

ですからまず、支店に複数の口座をもっている場合ですが、この場合も保険金は1人につき1,000万円とその利息までなので、仮に破綻金融機関の支店にいくつも口座を持っていても、それらはすべて合算(「名寄せ」)されてしまいます。

 

法人の場合も同様です。また、個人事業主の場合ですが、こちらの場合は個人と同様に扱われますので注意が必要です。つまり、事業用財産と個人用財産が同じ金融機関に預け入れられている場合には合算(名寄せ)されてしまいます。

 

なので、同じ金融機関で名寄せされないようにしたいということであれば、家族名義にするとよいと思います。ただし、家族に財産を分けたときに贈与税が発生する可能性がありますので、こちらの方の注意も忘れないでください。

 

もう一つ、「権利能力なき社団・財団」というのがありますが、これについては一般的には規約等によって運営方法が定められているなどの要件が必要です。実務上は個々のケースによって、金融機関がその実体から判断しているようです。

 

ちなみに、名寄せというのは結構時間のかかるもので、これがなかなか進まないと当然のことながら保険金も支払われません。この保険金がないと生活が困難になる方もいらっしゃるでしょう・・・。このような場合には、「仮払金」が支払われることがありますので覚えておくとよいと思います。

 

この仮払金というのは、金融機関が破綻してから1週間以内に運営委員会の議決を経て決定されます。その金額ですが、各預金者の普通預金の元本のみの残高について、1口座最高60万円までとなっています。1か月20万円として3か月分といったところでしょうか。

 

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消費者契約法とはどのようなものですか?

今回は消費者契約法についてです。一見、外貨投資とはあまり関係なさそうですが、実はとっても重要です。以前はFX(外国為替証拠金取引)などの契約や取引において、悪徳金融業者が社会問題になったりしていましたが、最近は法整備も追いついてきてそういった問題も以前よりは少なくなったようですが。

 

さて、消費者契約法ですが、この法律は、消費者と事業者との間には、契約取引上、情報の質や量、交渉力等に圧倒的な差があるので、消費者が不利益を被った場合には消費者を保護しようという内容になっています。

 

なので、事業者の行為によって消費者が困惑・誤認したような場合は、契約を取り消すことができますし、消費者の利益を不当に害することになる条項は無効にすることができます。では、事業者と契約者との間で結ばれた契約が取り消される場合というのはどのような場合でしょうか?これについては、次のようなものがあります。

 

■事業者が重要事項について事実とは異なる内容を告げたとき
■事業者が消費者にある重要事項についてだけ消費者の利益になるということを告げつつ、その重要事項について消費者が不利益になる事実は告げなかったようなとき
…これはたとえば、金融業者がある金融商品をすすめる際に、過去の有利な実績だけを説明して、元本割れすることなどのリスクを全くしなかったような場合のことです。
■事業者が消費者に脅迫まがいの威圧的な振る舞いをしたり、消費者を長時間拘束、また、夜間に居宅にあがりこんだりする行為をしたとき

 

また、事業者と消費者との間で結ばれた契約が無効になるケースというのはどのような場合でしょうか?具体的には、次のようなケースです。
■事業者の債務不履行や不法行為等の責任の全部・一部を免除する条項
■民法や商法の任意規定よりも消費者の権利を制限したり義務を加重する特約で、その程度が信義則に反するほど消費者の利益を一方的に害するもの

 

上記のようなものは無効になります。ちなみに、金融商品については、金融商品販売法、消費者契約法の両方が適用されます。なので、消費者はどちらか有利な方を選ぶことができます。悪徳業者に対しては泣き寝入りしないでいいように、法律をしっかり活用しましょう。

 

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