商品先物市場やユーロ、コモディティー通貨の高騰の理由〜/ゼロ金利政策の解除...

経済圏による分類とは?

外国為替市場では、通貨を経済圏によって分類することもあります。これは、地理的に近いと経済的な交流も増え、通貨への影響も連動することがしばしばあるからです。

 

具体的には、次のように分類されます。

 

■アジア通貨
■オセアニア通貨
■北米圏
■中南米圏
■欧州通貨
■石油産出国を中心とするペトロカレンシー圏...など

コモディティーによる分類とは?

通貨は、資源国通貨(コモディティー通貨ともいいます)という分類もされます。

 

これは、資源を産出し、それが輸出の多くを占める国の通貨というのは、商品先物市場の影響を強く受けるからです。代表的な資源国通貨としては、次のようなものがあります。

 

■オーストラリアドル ⇒ 輸出品の第1位は石炭で、2位は鉄鉱石です。
■カナダドル ⇒ 世界有数の石油やニッケルの産出国です。
■南アフリカランド...など ⇒ 金の産出量世界一です。

 

なお、これらの国には、旧大英帝国の傘下にあったという共通事項があるのですが、これは、旧大英帝国が資源をコントロールしようとしていたと見ることもできます。

 

◆ドルと運命共同体
石油産出国には、ドル・ペッグ制を採用している国が多いです。また、石油取引における決済はドルで行われていることから、ドルと運命共同体のような関係にあります。

 

◆商品先物市場やユーロ、コモディティー通貨の高騰の理由は?
2008年夏頃まで商品先物市場の高騰が続いていましたが、中でも原油先物価格高騰の影響により、コモディティー通貨の上昇が見られたのと並行して、ユーロ高/ドル安が誘発されていました。

 

これは、ドル下落に嫌気した石油産出国が、保有しているドルを2番目に信用力の高いユーロにシフトしていたということのようです。

 

ちなみに、1970年代のオイル・ショック後、石油産出国は大量に獲得したドルをシティバンクなど世界有数の銀行に預けましたが、その資金が中南米などに融資され、最終的には焦げ付いてしまったことは、「ペトロダラーの還流」として有名です。

 

こうしたこともありましたから、石油産出国は、2008年夏までに続いた原油高により、30年ぶりに再び大量のドルを獲得しても、今度は銀行へは預けないで、ヘッジファンドや投資顧問会社に預けたのかもしれません。

 

そしてそれが、商品先物市場やユーロ、コモディティー通貨の高騰を誘発したのではないかと思われます。

 

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ゼロ金利とはどのようなものですか?

ゼロ金利というのは、1999年2月から日本銀行がとった金融政策のことで、短期金利が0%台にまで低下したことから、このように呼ばれています。

 

◆ゼロ金利政策の解除について
ゼロ金利は、2000年8月に一度解除されたのですが、翌2001年3月には量的金融緩和政策が導入されたことから、短期金利は再び、実質的にゼロとなりました。

 

その後、景気回復が本格化したことや、企業の景況感や設備投資計画が高水準となったこと、さらに、株式市場も復調してきたことなどを受けて、日銀は、2006年3月に量的金融緩和政策を解除し、同年7月には、ゼロ金利政策の解除に踏み切りました。

 

◆短期金利とは?
短期金利というのは、数日から数か月まで期間の短い金融資産や負債の金利のことをいいます。

 

通常、償還までの期間が1年よりも短いものを短期金利、それよりも長いものを長期金利と分類しています。

 

◆代表的な短期金利は?
代表的な短期金利としては、銀行間の資金融通を行うコール市場の無担保翌日返済の借り入れ金利(無担保コール翌日物金利)などがあります。

 

◆長期金利とは?
長期金利というのは、取引が長期にわたる借入金の金利、または、償還期間が長い債券などの金利のことをいいます。

 

通常、「長期」という場合は、1年以上のものを指すことが多いです。なお、代表的な長期金利として、国債の利回り(特に10年物)や1年以上の定期預金金利があります。

DIとはどのような指数ですか?

DI(ディフュージョン・インデックス)というのは、経済指標等において広く利用されている指数です。

 

また、もともと数値で表しにくい現況や先行きといった定性的な要素を数値化するのに用いられています。

 

ちなみに、「DI(Diffusion Index)」のdiffusion には、拡散とか普及といった意味があります。なお、日本では、次のものに用いられています。

 

■景気動向指数
・あらかじめ選択した指標を、それぞれ3か月前と比べて、拡大を示す指標の数が占める割合を算出します。
・仮に、選択した指標がすべて拡大していれば100%となり、逆に、すべて悪化していれば0%となります。
・一般には、半分以上の指標が拡大していれば、すなわち50%以上の数値であれば、景気は拡大傾向にあると判断されます。

 

■日銀短観...など

耐久財受注とはどのような指標ですか?

耐久財受注というのは、米商務省が毎月発表する、製造業の出荷・在庫・新規受注・受注残高を示す指標をいいます。

 

耐久財受注の注目度は?
耐久財受注は、製造業の動向を把握するのに重要な指標といえます。

 

また、設備投資の先行指標とされていることから、米国では、個人消費や住宅関係の指標と同様に注目度が高くなっています。

 

なお、特に、変動率の大きい航空機を除いた非国防資本財受注が重視されます。

 

◆デフレーションとはどのようなものですか?
デフレーションというのは、モノに対して通貨価値が上昇し、物価が下落していく状態のことをいいます。

 

◆デフレーションになるとどうなるのですか?
デフレになる、つまり、物価が下落すること自体は、消費者にとっては好ましいことでありますが、物価の下落に伴い、企業業績の悪化や労働賃金の低下が進むと、破綻する企業が増えることから、失業者が増加します。

 

そうなると、消費が低迷し、景気の後退が生じ、企業は在庫調整のために、さらなる低価格路線を余儀なくされ、さらなるデフレを加速させることにもなります。

 

このような現象は「デフレ・スパイラル」と呼ばれます。

定例買いオペ最低応札金利とは?

定例買いオペ最低応札金利というのは、ユーロ圏の主要政策金利のことです。

 

具体的には、欧州中央銀行(ECB)が、ユーロ圏のクレジット市場の緊張を緩和するため、銀行への資金供給を目的としての政策の一環として行う買いオペを行う際の金利です。

 

◆日銀短観とはどのような指標ですか?
日銀短観というのは、正式には「企業短期経済観測調査」といいますが、これは日本銀行が、国内企業の活動や景気の実態を把握するために四半期ごとに行う統計調査のことです。

 

ちなみに、海外ではTANKANと呼ばれ、非常にポピュラーな指標となっています。

 

◆日銀短観の調査内容は?
日銀短観の調査内容としては、業況等の現状・先行きに関する判断や、事業計画に関する実績・予測など、企業活動全般にわたっています。

 

◆日銀短観の注目度は?
日銀短観で注目されるのは、企業の景況感を表す業況判断指数になります。

 

この業況判断指数にはDIが用いられますが、具体的には、企業に景況判断を「良い」「さほど良くない」「悪い」の3段階で尋ねて、「良い」の回答比率から「悪い」の比率を差し引いて計算されます。

 

また、3か月の見通しも合わせて調査されます。

 

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PCEデフレーターとはどのような指標ですか?

PCEデフレーターというのは、個人消費支出(PCE)に関連する指標で、GDPの内訳の1つにもなっています。

 

このPCEデフレーターは、個人消費支出・個人所得とともに、米商務省経済分析局が毎月下旬に発表します。

 

◆PCEデフレーターの算出方法は?
PCEデフレーターの計算式は、次のようなものです。

 

⇒ 名目個人消費支出÷実質個人消費支出

 

◆デフレーターとは?
デフレーター(deflator)というのは、直訳すると「膨張したものを縮小させるもの」というような意味になります。

 

しかしながら、経済指標で「デフレーター」といった場合には、物価上昇によって膨らんだ名目値と実質値の差を調整するために用いられる価格指数のことをいいます。

 

なお、特に変動の大きい食品・エネルギーを除いたものを「PCEコアデフレーター」といいます。

 

◆PCEデフレーターの注目度は?
米国での個人消費支出のGDP構成比は、7割弱と非常に高いことから、このPCEデフレーターについては市場の注目度も高いものとなっています。

 

◆PCEデフレーターの判断方法は?
一般に、PCEデフレーターが高値の場合は、金利先高感からドル買いが材料視されます。

 

ただし、米景気に先行き不透明感が漂っている場合には、インフレ傾向が強いほど景気不安が強まるとみられるため、必ずしもそのような動きになるとは限りません。

フィラデルフィア連銀指数というのはどのような指数ですか?

フィラデルフィア連銀指数というのは、フィラデルフィア地区連銀がペンシルベニア、ニュージャージー、デラウェア州の製造業を対象に、景況感や生産活動の現状を示した指数をいいます。

 

具体的には、就業者数、失業率、新規受注・在庫、平均賃金など11項目において、1か月前の比較、および半年後の期待を「良い」「同じ」「悪い」の中から選択させ指数化します。

 

◆貿易収支とは?
貿易収支というのは、次のように算出します。

 

⇒ 貿易収支=輸出額(国内に入ってきた金額)−輸入額(国外に出て行った金額)

 

輸出額が輸入額を上回れば貿易黒字、逆に、輸出額が輸入額を下回れば貿易赤字ということになります。

 

◆貿易収支の注目度は?
米国は、多額の貿易赤字を抱えていることから、貿易収支の動向が為替等の相場で注目されることになります。

 

◆無担保コール翌日物金利とはどのような金利ですか?
無担保コール翌日物金利というのは、日本の金融機関が、日常の資金の過不足を調整するため、短期金融市場で相互に資金の貸し借りを行なう際に用いられる金利のことをいいます。

 

この無担保コール翌日物金利は、「無担保コールオーバーナイト物レート」とか「無担保コール(O/N)」などとも呼ばれます。

 

かつて、日本銀行がとる金融政策では、公定歩合が重視されてきましたが、現在はこの無担保コール翌日物金利が誘導目標とされ、いわゆる政策金利としての主要な役割を果たしています。

輸出関連株とは?

輸出関連株というのは、輸出による収益が占める割合の高い企業の株式のことです。この輸出関連株の多くは、自動車、鉄鋼、家電、精密機械などのメーカーとなっています。

 

◆輸出関連株と為替相場との関係は?
輸出関連株は、輸出相手国の景気動向や為替相場の影響を受けやすく、円安のときに業績が伸び、円高のときに業績が落ち込む傾向にあります。

 

◆内需関連株とは?
内需関連株または輸入関連株というのは、電力会社や商社など、輸入に依存する収益の割合の高い企業の株式のことをいいます。

要人発言とはどのような人の発言ですか?

要人発言というのは、各国の首脳(首相や大統領など)、中央銀行総裁、財務関係省庁のトップといった、重要な地位にいる人物の発言をいいます。

 

◆要人発言の注目度は?
要人発言というのは、それ自体が何らかの決定事項を示しているわけではありませんが、為替等の相場には相応の影響力を持っています。

 

特に、日銀総裁やFRB議長、ECB総裁といった中央銀行のトップの発言は、常に注目されていますので要チェックです。

 

◆中央銀行のトップの発言とは?
中央銀行のトップは、金融政策を決定する会合の前後や、さまざまな機会に景気の現状や今後の見通し、金融政策方針などについて発言をします。

 

こうした発言内容は、市場関係者やアナリストたちが検討した「言外の意味」も含めて、売買の材料となることがあります。

 

よって、為替等の相場においては利上げや利下げなどの「事実」だけでなく、「要人発言」の内容も注視する必要があります。

 

◆有事のドル買いとはどういう意味ですか?
有事のドル買いというのは、何か不安材料があれば、まずはドルを買っておけという意味の為替相場の格言です。

 

米国は強い軍事力を備えていますので、かつて、国際紛争や戦争などの有事の際には、安心感を求めてドルが緊急避難的に買われる傾向にあったことに由来しています。

 

しかしながら、近年は、この格言が通用しないケースもみられることとなりました。

 

◆格言が通用しないケースとは?
特に、2001年に米国を襲った「9.11同時多発テロ」以降は、この格言が通用しにくくなり、国際紛争や政情不安が起きるたびに、米国に対する懸念が生じるようになっています。

 

さらに、2007年に米国発のサブプライム問題が世界の金融市場に信用不安をもたらした際には、米国株が急落し、それに連動してドルが大きく売られ、ますますドルの威信が失墜することとなりました。

 

こうした状況から、有事のドル買いという従来の格言はほとんど通用しなくなっているとみる向きが大勢になりつつあります。

 

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