1年間の外為市場の特徴〜/フォワードとオプション取引...

外資系銀行の外為ディーラーの雇用形態はどうなっているの?

上位10行は、インターバンク市場の60%以上のシェアを占めていますので、その影響力も絶大です。

 

その絶大な影響力を持つ外資系銀行の外為ディーラーの雇用形態というのは、一般的に、プロ野球選手などのように年契約になっていて、銀行と次のような契約をしています。

 

⇒ 「これだけの運用資金を預けるので、1月から12月の間に○○%のリターンをあげるように」

 

これにより、インターバンク市場上位10行の外為ディーラーも毎年新しいポジションを組み、年末にその年のポジションをクローズし、契約を満たすリターンをあげられるように努力しているのです。

1月〜3月の外為市場の特徴は?

外為ディーラーが前述したような契約形態であることから、腕一本で活躍している上位10行の外為ディーラーであっても、年初から大きなポジションを持つことには躊躇するため、その年の市場のトレンドを見極めながら徐々に勝負に出るといった感じのようです。

 

実際、1月に外為市場が大きく動くということはあまりなく、もみ見合う展開になることが多いのが特徴です。

 

こうしたもみ合い相場も、2月末〜3月上旬頃になりますと、日本は会計年度末、欧米も第一四半期決算を迎えることから、株式市場の喧騒から外為市場も徐々に動き出す時期となります。

 

なので、3月末までに円高や円安などのトレンドが出ることもあります。しかしながら、1年が終わってみると、この時期に出たトレンドと反対の展開となっていたということはよくあることです。

 

例えば、2007年と2008年のドル円相場は、2007年2月下旬にチャイナショックによる円高となりましたが、その後8月のサブプライム問題までは円安となっていました。

 

あるいは、2008年は3月にベアスターンズ・ショックによる円高となりましたが、その後9月のリーマンショックまでは円安となっていました。

 

そして、4月頃から、上位10行の外為ディーラーも大きなポジションを持つようになり、外為市場もその年のトレンドを明確に表すようです。

 

◆日本の外為ディーラーは若手がいない?
日本では、「失われた10年」といわれた1990年代に、日系銀行は倒産や合併を繰り返し、外為ディーリング・ルームの人員もどんどん削減されていきました。

 

一方、外資系銀行も、日本からの撤退や、アジアの拠点を香港やシンガポールなどへ移転させたことから、高給取りの外為ディーラーは真っ先にリストラの対象となりました。

 

このような背景から、1990年代半ば以降で、新規に外為ディーラーとして採用された若手とうのは少なく、その後10年以上経っても、働き盛りの30代の外為ディーラーが育っていないというのが、各銀行、すなわち外為業界の課題となっているようです。

 

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4月の特徴は?

欧米では4月にイースターの祝日があり、日本では4月末からゴールデン・ウィークという祝日があります。

 

日本が祝日であっても欧米が休み出ないときは、相場は容赦なく動きますし、しばしば海外勢はそういう日を狙って仕掛けてくることもありますので、あまりのんびり構えてもいられません。

 

ちなみに、過去には、日本の外為ディーラーが休みのゴールデン・ウィークを狙って、ドル円市場に投機を仕掛けてくることもたびたびありました。

 

◆5月〜6月の外為市場の特徴は?
5月〜6月は、日本企業の3月期の決算が続々と発表される時期であり、またメディアが決算発表に追われることもあり、株式市場が中心になっているように感じます。

 

確かに外為市場が株式市場の影響を受けることもありますが、日本の一企業の決算状況が、世界中に市場参加者のいる外為市場に影響を与えるということは、ほとんどないといってよいと思います。

 

◆日経平均株価とは?
日経平均株価というのは、「日経225」とも呼ばれるもので、日本経済新聞社が東京証券取引所(東証)第1部に上場する225銘柄の平均株価を表した指標のことをいいます。

 

なお、日経平均株価の銘柄は、毎年一部が入れ替えられます。

 

◆通貨危機とは?
通貨危機というのは、為替レートの急激な変動によって、経済全体が大混乱になることをいいます。

 

最近有名な通貨危機として、1997年に発生したアジア通貨危機や、1998年に発生した世界的な通貨危機があります。

 

◆7月〜8月の特徴は?
7月〜8月の夏場に、外為市場が最も世間と異なるのはお盆の1週間になります。海外にはお盆という習慣がありませんから、外為市場は通常通り取引が行われます。

 

なので、日本の外為市場関係者もこの時期にわざわざ休みを取る人も少ないようです。しかしながら、例外もあります。

 

例えば、サブプライム問題が本格化する以前の2007年の3月から8月上旬にかけて、ドル円相場は110円台前半から124円台に達するまでの円安が進みました。

 

この当時、円安を後押ししていたのは、「ミセス・ワタナベ」という愛称で呼ばれた日本の個人投資家と見られていました。

 

その日本の個人投資家が急激な円高で一気にやられたのが、お盆の真っ最中だったのです。

 

こうした動きは、かつてゴールデンウィークを狙って、休暇中の日本のディーラーを狙ってきた海外勢の動きと似ています。

 

つまり、お盆休みの日本の個人投資家を狙って仕掛けられたと見ることもできるのです。

9月の外為市場の特徴は?

9月になりますと、3か月の足※が年末にかかるようになります。また、外為市場の取引は3か月以内の取引が多いため、年末や年またぎを意識し始める時期でもあります。

 

一方、株式市場では、9月末に日本企業の上半期決算、欧米企業も第3四半期決算もありますので、金融市場全体としては、非常に活気のある時期といえます。

 

※フォワードやオプションなどの決済日・権利行使日

 

◆ゴールドマン・サックス社のレポートの内容は?
このレポートでは、2003年当時、G6(アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア)の15%に過ぎないBRICsのGDPは、2050年にはG6を上回っており、各国の実質為替レートは300%上昇しているだろうという内容になっていました。

 

◆10月の特徴は?
10月は、3か月の足がいよいよ年を超えるようになりますので、外為取引は徐々に縮小し始める時期といえます。

 

ただし、10月というのは、歴史的に見ると、金融マーケットでは劇的な事件がよく起こる月ということもいえそうです。

 

例えば、1987年に起きた世界的株価の暴落である「ブラック・マンデー」などがそうですが、アメリカ株式市場を統計的に見ても最も暴落することの多い月といえます。

 

なので、外為市場関係者は、警戒しながら企業の決算発表ニュースを眺めているようです。

 

とはいえ、外国人ディーラーは、警戒しつつも市場が落ち着いている時を見計らって、11月末のサンクス・ギビング(感謝祭)に帰国するかどうかとか、年末・年始をどこで過ごそうかなど、そういった話を始める時期でもあります。

 

◆11月の特徴は?
11月になりますと、外為ディーラーは利益確定売買の準備をする時期なので、月末のサンクス・ギビング(感謝祭)の頃には、ポジションをすべてクローズしてしまう人もいるようです。

 

◆サンクス・ギビングとは?
日本人が正月になると家族で集まるのと同じで、欧米人のサンクス・ギビング(感謝祭)というのは、家族で集まり、全米ひいては全欧米人が実家に向かって大移動をします。

 

なので、その経済効果も極めて大きなものになります。ちなみに、欧米のこの時期の交通機関の込み具合は、日本の大型連休のそれとあまり変わらないようです。

12月の特徴は?

サンクス・ギビング前から12月上旬頃までには、ディーラー個々人の1年の総決算が行われています。

 

なので、12月にもなると、外国人ディーラーたちはあまり働く気がないといってもいいかもしれません。

 

外為市場に影響力を持つ世界有数の外資系銀行の外為ディーラーがその調子なので、市場もすっかりオフになります。

 

◆12月には相場は動かない?
12月に相場が動くというのは珍しいことであり、仮に動いたとしても、それは参加者が少ないからというだけなので、あまり動揺は広がらないようです。

 

ちなみに、この時期に取引しているのは、その年に利益を上げられなかったディーラーだといわれていて、あまり相手にされていないようです。

 

◆サイクルに合わせてポジションを持つ
前述までの流れが外国為替市場のおおよその1年となりますので、個人投資家としても、このサイクルに合わせてポジションを持つのが合理的といえます。

 

■1〜3月 ⇒ 様子見の時期
■4〜9月 ⇒ 主戦場の時期
■10〜12月 ⇒ 総決算の時期

 

ちなみに、大きなトレンドは主戦場期に現れることが多いですから、このトレンドに乗れるように努めたいところです。

 

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通貨バスケットとは?

通貨バスケットというのは、固定相場制度の1つであり、自国通貨を複数の外貨からなる架空の合成通貨に連動させる通貨制度のことをいいます。

 

◆フォワードとはどのような為替取引ですか?
フォワードというのは、将来のある時点において、取引当事者双方にとり経済価値ゼロと思われるレートで行う為替取引のことをいいます。

 

ちなみに、この経済価値ゼロと思われるレートとは、取引を締結する時点でのスポットと2国の金利を勘案した理論値です。

 

例えば、3カ月後のドル円の理論値が1ドル=100円であったとしたら、3か月後に為替相場がどうなっていようとも、1ドル=100円で為替取引を行う約束を現時点で行うということです。

 

◆オプション取引とはどのような取引ですか?
オプションというのは、将来のある時点において、任意のレートで為替取引と行うかどうかを決定する権利のことをいいます。

 

例えば、3か月後に1ドル=100円でドル買いをする権利を購入しておいて、その権利を行使するかどうかは、3か月後の為替相場いかんによって決定します。

 

◆デリバティブとは?
デリバティブというのは、金融派生商品のことであり、株式や債券、為替など既存の金融商品から派生してできた取引のことをいいます。

 

具体的には、先物取引やオプション、スワップなどです。なお、デリバティブの特徴としては、レバレッジ効果があり、投資のリスクとリターンが大きくなることがあげられます。

市場リスクとは?

市場リスク(マーケットリスク)というのは、株式や為替の市場価格の変動により投資家の資産額が減少するリスクのことをいいます。

 

◆国際通貨の分類
国際通貨は、次のように分類されることがあります。

 

■メジャー通貨 ⇒ 取引量・取引参加人数の多い通貨
■マイナー通貨 ⇒ 取引量・取引参加人数の少ない通貨

 

ただし、このメジャー通貨・マイナー通貨についての明確な定義はありません。

 

しかしながら、一般的には、メジャー通貨と呼ばれるのは、取引量の多い米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフラン、オーストラリアドル、カナダドルなどとされており、これ以外がマイナー通貨と呼ばれているようです。

 

◆マイナー通貨の注意点とは?
メジャー通貨は、24時間取引可能であり流動性も高いのですが、マイナー通貨の場合は、メジャー通貨に比べて流動性も低く、スプレッドが広い傾向があります。

 

また、突然、金融制度が変更されて取引が急激に減少したり、最悪の場合には取引できなくなることもありますので、注意が必要な通貨もあります。

 

◆エマージング通貨とは?
エマージング通貨というのは、マイナー通貨に属する中でも、特に経済成長著しい新興国や地域(エマージング・マーケット)の通貨のことをいいます。

 

このエマージング通貨には、新興国の中でも成長著しいBRICs※や、東南アジア・中南米・旧東欧諸国などの国の通貨が含まれます。

 

※ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)のことです。

BRICsとは何ですか?

BRICsというのは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字を取ったものです。

 

2003年10月にゴールドマン・サックス社が、「Dreaming with BRICs: The path to 2050」というタイトルの投資家向けレポートで、「BRICs」という造語を使用したのが始まりです。

 

ちなみに、BRICSと「S」を大文字にして、南アフリカ(South Africa)を入れる場合もあります。

 

◆エマージング通貨への投資と経済成長
エマージング通貨とは、マイナー通貨に属する中でも、経済成長著しい新興国や地域の通貨のことをいいます。

 

1990年代前半、これら新興国への欧米からの投資が盛んになりましたが、これは高い経済成長や収益性が見込まれていたからにほかなりません。

 

一方で新興国側も、海外からの資本を頼りに益々成長を遂げていきました。

為替レートの歪みへの対策と投機の仕掛け

新興国の通貨が管理通貨制度や固定相場などによって安定している間はよいのですが、海外からの資本流入があまりにも過剰になると、為替レートにも歪みが生じてきます。

 

変動相場制であれば、為替レートの歪みも自然と調整されていくわけですが、新興国は自国通貨の下落を防ぐために介入で買い支えるなどして対応策を講じるしかなかったのです。

 

しかしながら、いったん流出し始めた海外資本の流れは止まらないだけでなく、新興国の為替レートの歪みに目を付けて投機を仕掛けるヘッジファンドもいましたから、最終的には、通貨の切り下げに踏み切り、中にはIMFから融資を受けて経済の建て直しを図った国もあったのでした。

 

これが、1990年代後半にアジアやロシアで起きた通貨危機です。

 

このように、マイナー通貨、特にエマージング通貨というのは、収益性も高いのですが、大きな損失を被るリスクもありますので注意が必要になります。

 

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