金融政策の為替レートへの影響〜/円キャリー取引...

ベージュブックとはどのようなものですか?

ベージュブックというのは、正式には「地区連銀景況報告書」といい、ニューヨーク、アトランタ、ボストン、シカゴ、フィラデルフィアなどの12地区連銀が管轄地域の経済状況や景気動向についてまとめた、FOMCに提出する報告書のことをいいます。

 

ちなみに、「ベージュブック」と呼ばれるのは、表紙の色がベージュだからです。

 

◆ベージュブックの役割は?
ベージュブックは、FOMCが開催される2週間前の水曜日に公表され、FOMCの議論の参考とされます。

 

また、FOMCのメンバーには、ベージュブックのほかに「グリーンブック」と「ブルーブック」が渡され、これらに基づいて議論が行われます。

 

ただし、タイムリーに一般公開されるのは、ベージュブックのみで、他の文書の内容はFOMCの5年後にしか開示されません。

 

こうしたことから、ベージュブックは、次回のFOMCの動向を探る手掛かりとして投資家たちからの注目度が高くなっています。

為替レートを動かす需給とはどのようなものですか?

実際の為替レートというのは、前述してきた理論による計算ではなく、需要と供給の関係によって決まります。

 

つまり、円を売って米ドルを買いたい人が多ければ、米ドルは強くなり、円は安くなるということです。

 

為替市場では、こうした傾向が強くなればなるほど、どんどん円安は進行していきます。また、反対に米ドルを売って円を買いたい人が多ければ、ドルは円に対して弱くなります。

 

◆クロスレートにも注意するのは?
為替市場では、それぞれの通貨がそれぞれの需給関係によって取引されているのですが、これはあるA通貨が他のB通貨に対して大きく変動すると、直ちに他のC通貨にも影響を与えることがあります。

 

つまり、A通貨とC通貨、あるいはB通貨とC通貨の為替レートも動くということです。よって、他通貨間の交換レートであるクロスレートにも注意して見ていく必要があるのです。

 

◆金利を変更すると為替レートはどのように動きますか?
中央銀行が金融機関に貸付ける際に指標とする金利を変更すると、為替市場は敏感に反応します。

 

例えば、アメリカのFRBは、サブプライム問題による景気減速を懸念してFFレートを引き下げましたが、それ以前は4.5%でした。

 

日本は低金利政策をとっていてコール金利は0.5%でしたから、その金利差は4%です。

 

この金利差がさらに拡大すると想定しますと、投資家は高い金利に集まりますので、円をドルに替えて、ドルの外貨預金やドル建てのMMFの取引が増えると考えられます。

 

また、スワップポイントを狙ったFX投資も活発になるでしょう。これは、為替レートが一定の範囲内で推移していれば、金利差が大きな収益を生むからです。

 

多くの投資家が同様のことを考えれば、為替市場では、円売り・ドル買いという需給になって表れます。

 

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金利が需給に与える影響は?

金利というのは、その通貨を発行する国の中央銀行による金融政策を背景に決定されるものですが、為替レートの需要と供給に最も直接的に影響を与えます。

 

また、金利の動向は、通貨発行国の金融資産や外貨準備高の多いか少ないかによっても大きく変動することがあります。

 

つまり、通貨を発行している国の景気動向や国際収支動向、その国の政治情勢にも間接的に影響を与えているということです。

 

◆金融政策の為替レートへの影響は?
通貨を発行する国の中央銀行は、それぞれの国内事情によって金融政策を行いますが、これは具体的には、政策金利を操作しながら金融を緩和したり、引き締めたりすることを意味します。

 

◆サププライム問題と政策金利
2007年8月の急激な為替の変動と混乱は、アメリカのサブプライム問題が発端となって起きたものです。

 

この問題に対処するため、アメリカのFRBは政策金利を短期間に大幅に下げ、短期金融市場に多くの資金を供給しました。

 

一方、日本の中央銀行である日銀は、それまで続けてきた低金利政策の維持を決定しました。

 

その結果、政策金利であるアメリカのFFレートと日本のコールレートの金利差は大幅に縮小し、外国為替市場では、ドルを売って円を買い戻す動きが止まらず、外国為替市場の需給バランスは一気に崩れました。

 

◆サブプライム問題後の金利引下げでどうなりましたか?
サブプライム問題が表面化した2007年8月以降、現実にはFF金利は引き下げられ金利差は縮小しましたから、投資家は魅力のなくなったドルを円に転換しようとしました。

 

そのため、これまでの円売り・ドル買いの動きは反転し、需給が崩れて為替レートは円高ドル安に動きました。

 

◆金利差は投資判断となりますか?
上述のようなことから、金利差というのは、投資判断の基準になるのではないかと思いがちなのです。

 

しかしながら、為替市場が金利の引上げや引下げを早くから予想して、為替レートにそのことを織り込んでいる場合もありますので注意が必要です。

 

というのは、その場合には、金利変更の材料出尽くし感となって、為替レートが短期的に逆に動くことがあるからです。

 

つまり、為替相場というのは、その時々の材料や思惑も絡みますので、金利だけでは決まらないということです。

なぜ通貨が弱くなるのですか?

慢性的に経常収支が赤字の国の通貨というのは、基本的に弱い動きをすると考えてよいと思われます。

 

多くの東南アジア諸国では、主要な加工産業が成長していませんので、輸出の主力は鉱物資源や農産物などの1次産品と呼ばれるものがほとんどとなっています。

 

特に農産物は天候に左右されやすいですから、天候不順で不作が予想されると、貿易収支の赤字や税収不足による財政収支の悪化が懸念され、為替は弱くなるのです。

 

◆ドルは国際収支に影響されないのはなぜですか?
アメリカの場合は、上記のケースとは事情が異なります。というのは、アメリカは常に財政赤字と貿易赤字、すなわち「双子の赤字」に悩まされ続けているからです。

 

では、ドルがいつも弱い動きをしているのかといえば、実際にはそうではありません。

 

この理由について、経済学者の中には、アメリカは貿易収支こそ赤字だけれど、資本収支は黒字を維持しているからだという人もいます。

 

また、別の専門家は、ドルは基軸通貨としての役割を果たしているから、弱い動きにはなりにくいということです。

 

◆景気動向は為替相場に影響を与えますか?
景気がよくなりますと、海外からの原材料やサービスだけでなく、完成品の輸入も多くなり、貿易収支を含む経常収支のマイナス要因となります。

 

また、貿易収支が赤字になりますと、円をドルなどに替えて海外に支払う金額が増えますので、円は一時的には、需給が悪化して弱くなります。

 

しかしながら、さらに国内景気が拡大して企業収益がよくなれば、株式市場などの活況によって外国からの投資が増加し、資本収支のプラス要因となります。

 

これは、為替相場にも反映されますので、需給が好転すると初めて円が強くなります。

 

反対に、景気が悪くなりますと、在庫が積み上がった後で原材料の輸入が落ちて、一時的に国外への支払いは減少します。

 

やがて、株式の売却などが進み、需給は悪化し、円は弱くなります。このように、景気動向が為替市場の需給に反映されるまでには、タイムラグがあるということがいえます。

日本の為替相場が敏感に反応するのは?

日本は設備投資主導型の国なので、為替相場が敏感に反応するのは、むしろ主な輸出先であるアメリカ、EU、中国を含む東南アジアの景気動向になります。

 

特にアメリカは、日本の重要なマーケットですから、その景気にも為替相場の需給は迅速に反応します。

 

つまり、アメリカ経済は消費主導型なので、景気がよくなれば、日本からの輸出が直接的に伸び、受け取るドルが多くなり、それにより多くの円買いになるということです。

 

◆投資にふさわしい政治情勢とは?
その国の政治情勢というのは、為替相場に大きな影響を及ぼします。

 

国内の政治が安定していれば、その国の外交政策はとりあえずは信頼できますが、政治情勢が不安定になり政権が交代するといったような大きな動きになりますと、投資家も注意が必要になってきます。

 

これは、新しい政権が、常に前政権の政策を承継するとは限らないからです。

 

場合によっては、これまで開放されていた海外からの投資が閉鎖的になったり、国外への送金ができなくなるといったことも考える必要がでてきます。

 

そのような場合、その国には新規の資金が入らなくなりますから、その国の市場は急落することとなり、投資していた資金はどんどん目減りしていくことになります。

 

最悪の場合は、投資資金の回収さえできなくなるかもしれません。

 

また、グローバル化した世界では、新政権が環境問題に後ろ向きであるとか、制度改革に積極的でないなどと判断されると、株式市場や為替市場が下落することもあります。

 

よって、投資にふさわしい政治情勢かどうかをしっかりと見極めることが重要になります。

 

◆政治情勢の判断のポイントは?
投資にふさわしい政治情勢かどうかについては、次のようなポイントを参考にしてみてください。

 

■政権の外交政策は協調的かどうか
■政権の経済政策は開放的で、グローバル化されているかどうか
■政権は政治改革や環境問題に対して積極的かどうか
■議会において与党が多数を占めているかどうか
■民主的な政治体制かどうか...など

 

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個人の金融資産は為替相場に影響を与えますか?

日本銀行が四半期ごとに発表している資金循環統計を見ますと、個人の金融資産が毎年最高額を記録する勢いで伸びていて、その額は1,600兆円に届くほどになっています。

 

これだけの個人の金融資産が、高い利回りや売買益を求めて動くのであれば、為替市場に与える需給のインパクトも極めて大きいものになります。

 

特に、日本は超低金利の環境が続いていますから、急激で大きな資産変化も生じやすいといえます。

 

2003年頃から活発化した「円キャリー取引」はその最も顕著な動きといえるでしょう。

 

これは、国内の低金利に嫌気がさした個人投資家が、より金利の高い金融商品へと向かった結果です。

 

実際、現在でも個人の金融資産のほとんどが金融機関に預貯金として保有されていますので、投資に向かった金融資産というのは、全体の10%に過ぎないといわれています。

 

しかしながら、それでも円は対ドルで115円まで安くなりました。

 

2007年に起きたサブプライムローン問題によって、円キャリー取引の動きは鈍化しましたが、アメリカの金融市場が落ち着きを取り戻せば、再び個人投資は再燃すると思われます。

円キャリー取引とは?

円キャリー取引は、英語では「Yen Carry Trade」といいますが、この「Carry」は、「日歩、金利を稼ぐ」という意味で用いられることから、「円が金利(日歩)を稼ぐ取引」と訳すことができます。

 

ちなみに、為替市場関係者は、次のようなものを円キャリー取引と呼んでいます。

 

■短期金融市場から低金利の円資金を調達すること
■高利回りの外貨で運用すること

 

◆円キャリー取引とはどのようなものですか?
為替市場関係者は、次のようなものを円キャリー取引と呼んでいます。

 

■短期金融市場から低金利の円資金を調達すること
■高利回りの外貨で運用すること

 

よって、個人投資家の行うFXは、金融市場から短期資金を調達していないことから、円キャリー取引ではないという見方もあるようです。

 

これは、手元に保有している円資金を運用しているだけで、資金の調達コストがかかっていないので、単なる投資パターンの1つにすぎないということのようです。

 

このように、円キャリー取引には、明確な定義があるわけではありません。しかしながら、一般的に円キャリー取引といった場合には、次のような要件を満たしたものということができます。

 

■低金利の円を調達(利用)すること
■外貨で運用すること
■為替ヘッジはしないこと
■投資目的は外貨と金利差であること

 

このうち為替ヘッジというのは、将来に外貨を円に戻すレートをあらかじめ決めておくことをいいます。

 

為替ヘッジをしてしまいますと、為替相場の変動による損失は避けることができますが、調達した円資金と外貨商品とのスプレッド(利鞘)を稼ぐことができなくなってしまいます。

外貨準備金の有効活用論とは?

近年、外貨準備金の有効活用論が注目されています。この外貨準備金というのは、相場を安定させる目的で、外国為替市場へ介入するために国が保有している資金のことをいいます。

 

これは、中東諸国や中国のように、豊富な外貨準備金をもつ国々が、その資金を投資に振り向け始めたということです。

 

この資金は規模も大きいですから、為替相場の需給に与える新たな要因になると思われます。

いくら以上損が出たら損切りすればよいのですか?

損切りラインというのは、それぞれの投資家の投資スタンスや使える資金によって異なりますので、一概には言えません。

 

また、損切りラインは、厳しければ厳しいほどよいというものでもないところが難しいところです。

 

一般的には5%程度の含み損が発生したらいったん損切りするのが望ましいとされています。

 

しかしながら、保証金維持率に余裕があって、潤沢な資金があるのであれば、損切りラインを多少甘く設定してもよいと思われます。

 

反対に、保証金維持率が下がっていたり、ハイレバレッジでポジションをとっている場合は、損切りラインは通常よりも厳しく設定する必要があります。

 

また、投資スタイルが超短期なのであれば、手元資金を少しでも残しておくために厳しく設定する必要があります。

含み損の金額やパーセンテージによらない損切りとは?

保有しているポジションが「これ以上持っている意味をなくした時」というのを損切りの目安としているトレーダーもいます。

 

これは、儲かると考えたからこそある方向にポジションを取ったのに、読みが外れたのであればそれ以上持っていても仕方がないという考え方です。

 

含み損の金額やパーセンテージによらないこのような損切りルールというのは、厳しいと思われるかもしれませんが、非常に合理的な考え方といえます。

 

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