ストップ・ロス・オーダーの実践例〜/高金利通貨を軸にした外貨投資の成功例...

ストップ・ロス・オーダーとはどのようなオーダーをいうのですか?

ストップ・ロス・オーダーというのは、売買してポジションを持った後、ある一定以上損失を抱えてしまったら、それ以上拡大しないように反対売買をしてポジションをいったん手仕舞うオーダーのことをいいます。

 

個人投資家の中には、例えば次のような理由からストップ・ロス・オーダーを置かない人もいるようです。

 

■外国為替市場は以前に比べれば変動幅が小さくなってきているから、一時的に負けていても、しばらくすれば元の水準に戻ってくるからストップ・ロス・オーダーは不要である

 

■プロのディーラーは期限までに何%のリターンをあげるという制約があるけれど、個人投資家にはそのような制約はないからストップ・ロス・オーダーは不要である...など

 

しかしながら、サブプライム問題やベアスターンズ・ショック、リーマン・ショックなどで高金利通貨が暴落し、マージン・コールやロス・カットによって取引を終了させられた人も多い現在では、そうなる前のストップ・ロス・オーダーの必要性を痛感されていると思います。

デイトレーダーほど暴落に巻き込まれやすい

過去の暴落相場では、デイトレードをしている人ほど巻き込まれてしまったようです。

 

普段10銭単位で勝負している個人投資家は、日々何度もトレードをしてコツコツ利益を積み重ねています。

 

平常時には、1日に数十銭から動いたときでも1円程度の範囲で相場を見ていますから、いったん暴落相場になると普段の5倍から10倍、すなわち5円から10円の変動相場を相手にすることになります。

 

また、デイトレードをしている人ほどレバレッジも高く設定しているケースが多いので、暴落相場に巻き込まれてしまいますと、損失が拡大するスピードも通常の5倍から10倍となり、それまでコツコツ稼いでいた分を一瞬で失ってしまうようです。

ストップ・ロス・オーダーを利用しないケース

FXで負けている人の典型的なパターンが、ストップ・ロス・オーダーを利用していないケースといわれています。

 

ストップ・ロス・オーダーを利用するとは、ストップ・ロス・オーダーで負けを最小限に抑えることによって、逆説的に勝つ可能性をグッと高めるということです。

 

デイトレードをされている個人投資家ほど、目先の値動きばかりに気をとられがちになっている、すなわち「木を見て、森を見ず」の状態になっているので、大相場を迎えるたびにやられてしまっているようです。

 

よって、短期間で勝負しているデイトレーダーほど長期的な視野、つまり大局観が必要であり、相場はその時々でどのような局面にあるのか、あるいは自分が現在どの位置にいるのかということを把握しておく必要があるのです。

 

◆ストップ・ロス・オーダーの具体例
例えば、ドル円相場でその後ドル高・円安になることを予想して、1ドル=100円でドル買い・円売りをしたとします。

 

ただし、市場が予想通りになるとは限りませんので、1ドル=98円にストップ・ロス・オーダー(ドル売り・円買い)を設定します。

 

この場合、予想が外れて、1ドル=98円になってしまえば2円(100円−98円)の損失は確定してしまいますが、それ以上の損失の拡大は防いでくれます。

 

もちろん、相場がゆっくりと1ドル=100円から98円になるような展開ですと、損失を確定したくないという気持ちもわかりますが、1ドル=100円が一気に1ドル=90円になるような展開でしたら、逆にホッとするのではないでしょうか。

 

暴落相場というのは、予告なく突然やってきます。しかも、毎年必ず2〜3回はやってきますから、FXでは常にストップ・ロス・オーダーが必要といえます。

 

◆どのように設定したらよいのでしょうか?
ストップ・ロス・オーダーの設定方法といっても様々ですが、自分が相場でいくら勝ったことがあるのかということが1つの目安となります。

 

例えば、自分がドル円相場で最大60銭勝ったことがあるのであれば、1度のトレードで取り返せる相場力は60銭ということになりますから、ストップ・ロス・オーダーも60銭以下に設定するというものです。

 

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ストップ・ロス・オーダーをつけた途端に反転する場合は?

FXトレードをしていると、ストップ・ロス・オーダーをつけた途端に相場が反転するということがよくあります。確かにそのようなケースは悔しいものです。

 

しかしながら、そもそもストップ・ロス・オーダーがついたということは、ポジションを持ったときの予測がはずれたということを意味します。

 

つまり、まさかそこまでは行かないであろうというレートに相場が到達し、その後また反転したのですから、それはさらに予測がはずれたことになり、相場に対しては完全に負けたことになるのです。

 

相場で負けを認めることができないうちは、いつまでたっても相場に勝つことはできないといわれますが、やはりストップ・ロス・オーダーはしっかりおくようにしたいものです。

 

◆プロの多額の損失がストップ・ロスを生んだ
1973年に変動相場制に移行して以来、外国為替市場の歴史といえば、外為ディーラーや外為担当者などプロといわれる人たちが、多額の損失を抱えてきた歴史といってもいいかもしれません。

 

プロであっても多額の損失を抱えてしまった原因は、リスク管理、特に損失がある一定以上に膨らんだらいったん手仕舞うという、ストップ・ロス(損切り)が徹底されていなかったことにあります。

 

つまり、損失を抱えてもしばらくすれば市場が反転して運良く難を逃れるられるケースもあったのかもしれませんが、損失が拡大し続け、どうしようもなくなったときに初めて世間に告白し、損失を確定する事件が相次いだのです。

 

実際、1993年2月の昭和シェル石油1,660億円、1994年4月の鹿島石油1,525億円と、考えられないほどの損失額が発表されました。

 

こうした歴史を歩んできたこともあり、現在プロの世界ではストップ・ロス(損切り)が常識的なこととなっているようです。

 

◆損切りとは?
損切りというのは、取引で損失を出してしまったときに、それ以上、損失を拡大させないために売買を完結させ、損失を確定することをいいます。

ディーリングとは?

ディーリングというのは、外国為替市場で通貨を売買するなどの取引を行うことをいいます。ちなみに、株式市場では、証券会社が自己勘定で取引することを指します。

 

◆利益確定に使うストップ・ロス・オーダー
ストップ・ロス・オーダーというのは、何も損切りだけに有効というわけではありません。

 

「トレーリング・ストップ」という方法がありますので、利益を確定させる手法としても、ぜひ活用したいところです。

 

◆トレーリング・ストップとはどのようなものですか?
トレーリング・ストップというのは、ストップ・ロス・オーダーを守備的だけではなく、攻撃的に利用する方法です。

 

具体的には、相場が有利に働いている状況では、ストップ・ロス・オーダーを放置するのではなく、相場が反転した場合にも取れる利益は確実に取っていく、あるいは損失を最小限に抑える方法です。

 

例えば、ドル円相場が1ドル=100円の時にドル買い/円売りをして、1ドル=98円にストップ・ロス・オーダーを置いたとします。

 

その後、ドル円は予想通りドル高・円安となり1ドル=101円になったとします。

 

このように相場が有利に動いていつでも利食える状況になった後、突然ドル安・円高になって1ドル=98円のストップ・ロス・オーダーがついてしまったら、みすみす利益獲得機会を逃してしまうことになります。

 

こうした事態を防ぐために、1ドル=101円になった時点で、もともと1ドル=98円で設定していたストップ・ロス・オーダーを、例えば1ドル=100円に変更するのです。

 

こうしておけば、万が一突然、ドル安・円高が進行して1ドル=98円になったとしても、1ドル=100円のストップ・ロス・オーダーが先に執行されますので、損失を防ぐことができます。

 

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インフレ率との関係は?

ニュースなどで日常的に用いられている「金利」というのは、通常「名目金利」を意味しています。つまり、見かけ上の金利であって、本当の金利ではありません。

 

金利については、名目金利、実質金利、インフレ率の3つをおさえておきたいところですが、これらは次のような関係にあります。

 

⇒ 実質金利=名目金利−インフレ率

 

例えば今、銀行の預金金利(名目金利)が5%、リンゴ1個が100円だとします。

 

1年後リンゴの値段が103円になっていたとしたら、物価が3%上昇、すなわち3%のインフレーションが発生したことになります。

 

ここから実質金利を算出しますと、次のようになります。

 

⇒ 2%=5%−3%

 

◆フィッシャー効果とはどのようなものですか?
上記の「実質金利=名目金利−インフレ率」という関係式は、経済学者であるアーバイン・フィッシャー(Irving Fischer)氏が提唱した実質金利・名目金利・インフレ率の関係式を簡略化したものです。

 

ちなみに、もともとは次のような式でした。

 

⇒ 1+名目金利=(1+実質金利)×(1+インフレ率)

 

そして、この式を分解しますと、次のような式になります。

 

⇒ 名目金利=実質金利+インフレ率+実質金利×インフレ率

 

なお、この右辺の実質金利×インフレ率というのは、通常極めて小さいので無視できることから、次のような関係式になるのです。

 

⇒ 名目金利=実質金利+インフレ率

 

この式の実質金利を左辺に移してまとめると、次のような関係式になります。

 

⇒ 実質金利=名目金利−インフレ率

貨幣としての価値は下がっている

高金利通貨の場合、通常は名目金利が高いことを意味しています。

 

ただし、名目金利は高くてもインフレ率も高ければ、前述のフィッシャー効果の関係式※からも実質的な金利は低くなりますので、獲得できるリターンは限定的となってしまいます。

 

また、(名目)高金利というのは、往々にして高いインフレ率を伴っているものなのですが、インフレ率が高いということは、その国の通貨が貨幣としての価値をどんどん失っているということでもありますから注意が必要です。

 

◆高金利通貨への投資は価値が下がっているものへの投資?
インフレ率(インフレーション)というのは、英語で「膨張」という意味であり、これは中央銀行がお金を発行しすぎてしまい、市場でお金がジャブジャブ余っている状態のことをいいます。

 

余っているものの価値というのは、当然のことながら下がっていきますので、高金利通貨への投資というのは、つまり年々価値を下げているものへの投資にほかならないということは頭に入れておきたいところです。

 

※実質金利=名目金利−インフレ率

 

◆インフレターゲットとは?
インフレターゲットというのは、インフレ率を目標に置く金融政策のことをいいます。

 

具体的には、CPIなどの物価指数が一定範囲を超えると、金融緩和・引き締めを行い、インフレ率をもとの水準に戻す政策です。

 

なお、このインフレターゲットは、豪州などが正式に採用しています。

高金利通貨の暴落は繰り返される

近年頻繁に起こっている高金利通貨の暴落というのは、ある意味本来は価値の下がっているものへの投資が拡大しすぎたので、その行き過ぎを是正するためのものと考えることもできます。

 

外国為替市場の高金利通貨ブームとその暴落は、シーソーの原理のように、何年かおきに高金利通貨が買われては暴落をするということが繰り返されています。

 

では、なぜやがては価値を下げる高金利通貨への投資が起きるのでしょうか。

 

これについては、高金利通貨へ投資していれば、高金利を享受できるだけでなく、為替差損が生じてもある程度は耐えられると考えられるからだと思われます。

 

◆高金利を軸にした外貨投資の成功例
例えば、ドル円が1ドル=120円で、日米金利差が5%であったとします。

 

この金利差が10年間一定だったとして米ドルを10年間保有しますと、もともと1であった資産は1.05の10乗、つまり、およそ1.63倍になります。

 

この金利差で儲けた分というのは、10年後にドル円が45円(120×1÷1.63)ほどの円高、すなわち1ドル=75円になっていなければ勝てる投資手法であるといえます。

 

つまり、10年後1ドル=75円以上のドル高/円安レベルにあると、この高金利を軸にした外貨投資は成功したことになるのです。

 

◆高金利通貨の暴落には注意が必要
歴史的には、前述のような金利差から計算できる水準以上に高金利通貨は暴落し、それらに投資していた投資家たちは、巨額の損失を抱えて退場していっているというのが現実です。

 

具体的には、1980年代の日本の生命保険会社、1990年代後半のヘッジファンド、日本の個人投資家などです。

 

もちろん、長期投資には、金利を軸にした投資手法は不可欠ですし、実際、巨額の資金を運用するプロの世界でもポピュラーなものです。

 

しかしながら、金利が高いということは、貨幣としての価値は下がっているということですから、必ずどこかで調整が行われますので、そのことにはいつも注意が必要になります。

 

高金利通貨へ投資するというブームは、おそらくまた再燃するものと思われますが、肝心なのは、そのブームに乗ったときに、今度はどこで利食うのか、どこで身を引くのかを十分考えておくことになります。

基軸通貨はどのようなものに集約されますか?

基軸通貨という用語はしばしば目にしますが、実際のところは、米ドルを基軸通貨と定める法があるわけではなく、その定義も明確ではありません。

 

具体的には、IMF(国際通貨基金)やWorldBank(世界銀行)、BIS(国際決済銀行)といった世界の公的機関も、米ドルを管理しているFRB(連邦準備銀行)も、米ドルを基軸通貨(キー・カレンシー)と定めているわけではありません。

 

なので、一般的な基軸通貨の定義といった場合には、次のようなものに集約されると思われます。

 

■各国通貨の価値の基準となっている。
■外貨準備として多く保有されている。
■国際取引に広く利用されている。
■強力な軍事力を保有している。
■経済規模が大きい。
■資本の供給国である。...など

 

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