マーケット・ユーザーとブローカー〜/中央銀行と市場介入...

相対取引の特徴は?

FXは相対取引ですが、身近な例ですと例えば、家電量販店などが相対取引です。

 

消費者は、どの家電量販店でも同じ商品を買うことができますが、その判断の基準は価格のみならず、サービスやアクセス、あるいは馴染みがあるなど価格以外の要因も影響し、売りたい店と買いたい消費者が、個別に1対1で行う取引形態、すなわち相対取引になっています。

 

つまり、相対取引の場合には、最も安く売る人と最も高く買う人同士が取引するとは限らないのが特徴です。

 

そして、FXは相対取引ですから、銀行はすべてのFX会社に同じ買値・売値を提示しているわけではありません。

 

さらに、FX会社も顧客(個人投資家)に対して、手数料を0円にしたり、1取引当たり手数料を課金したり、スプレッドに差があったりと様々です。

 

よって、同時刻に個人投資家に提示するドル円の買値・売値が、FX会社により異なるのは、むしろ当然といえるのです。

EBSとはどのようなものですか?

インターバンク市場のその時点における為替レートで売買する直物「スポット取引」※に限定していいますと、現在、その80〜90%がEBS(Electronic Broking Service)というシステムを経由して行われています。

 

このEBSというのは、1990年に外国為替市場をリードする12の銀行で作られた、銀行間の電子為替取引を仲介するシステムです。

 

なので、これが実質上の取引所となっていますので、取引所がないともいえないかもしれません。

 

なお、2006年6月ん、ICAPという大手銀行間仲介業者(ブローカー)がEBSを買い取ったことから、ICPAがスポット取引において独占的なシェアを獲得しています。

 

※スポット取引に対して、将来の為替レートについて売買する取引には先物取引、フォワード、通貨オプションなどがあります。

 

◆インターバンク市場とは?
インターバンク市場というのは、銀行などの金融機関だけが参加して資金調達や運用を行う市場のことをいいます。ちなみに、外国為替もインターバンク市場で大半が取引されます。

 

◆ほとんどの銀行がマーケット・ユーザー
主にインターバンク市場で取引しているのは銀行であり、また、インターバンク市場は、世界の上位10行が外国為替取引全体の60%以上を占める偏った市場です。

 

また、銀行同士で外為取引を行う場合には、買値・売値を提示する側をマーケット・メーカー(サポーター)、買値・売値を求める側をマーケット・ユーザーと呼びます。

 

とはいえ、世界中のほとんどの銀行が、必要なときだけ他の銀行に買値・売値を求めるマーケット・ユーザー側です。

 

マーケット・メーカー側であり続けると、取引も情報も集まりますが、それらをうまく管理するシステムや体制、人員などを整える必要がありますので、マーケット・ユーザー側として存在する銀行がそのほとんどを占めるようです。

 

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ブローカーの役割について

マーケット・ユーザー側は、マーケット・メーカー側に建値(買値と売値)を依頼して取引する場合、建値が提示されてから数秒の間で取引するかどうかを判断する必要があります。

 

これは、相場は秒単位で変動していますから、建値を提示した次の瞬間には相場が動いているからです。

 

また、提示された建値が期待通りのよいレートでない場合もあり、仕方なくマーケット・メーカー側の言い値で取引しなければならない場合もあります。

 

もちろん、「提示された建値では取引できない」とマーケット・メーカー側に伝えて取引しないということもできますが、建値を提示してもらったという負い目がありますし、また取引できないということが度重なりますと印象も悪くなるからのようです。

 

なので、そのようなニーズに応えているのが、銀行間の外為取引の仲介を行っているブローカーということになります。

 

◆対顧客市場にはどのような参加者がいますか?
対顧客市場で取引しているのは、対法人であれば銀行と法人※、対個人であれば銀行と個人になります。

 

そして、1998年の外為法改正によって、解禁となったFXを行う個人投資家も対顧客市場に含まれ、その割合は年々増加しています。

 

※次のような法人です。
■他の金融機関 ⇒ 証券会社、生命保険、損害保険、アセットマネジメントなどです。
■事業法人 ⇒ 輸出企業や輸入企業、最近ではM&Aも含めた海外投資などで為替取引を恒常的に行っている会社も含まれます。
■FX会社...など

 

◆ブローカーの収入源は?
ブローカーもインターバンク市場の取引従事者ですが、銀行のように外国為替変動を利用して利益獲得を目指すのではありません。

 

ブローカーの収入源は、銀行間の外国為替取引を仲介することにより発生する手数料だからです。

 

◆ブローカー経由の取引
ブローカーを経由して取引する場合、マーケット・ユーザーがブローカーに、取引したい通貨ペアや取引量などを伝え、ブローカーはいくつかのマーケット・メーカーに建値を依頼します。

 

そうすると、ブローカーからマーケット・ユーザーに、提示された建値のベスト・ビット(最も高い買値)とベスト・オファー(最も安い売値)が伝えられますので、マーケット・ユーザーは、売りたい場合はベスト・ビットで、買いたい場合はベスト・オファーで取引することができます。

 

この場合、マーケット・ユーザーが誰であったのかというのは、取引が成立してはじめてマーケット・メーカー側に伝えられますので、もし取引しなかったとしても印象が悪くなることはありません。

実需筋とは?

実需筋というのは、外貨で受け取った輸出品の代金を円に替えたり、輸入品を買うために円を外貨に替えたりすることが必要な企業のことをいいます。

 

◆投機筋とは?
投機筋というのは、通貨の売買そのもので利益を出そうとする金融機関などのことをいいます。

 

◆電子ブローキングとは?
1990年代半ばから、ブローカー業務は電子化が進み、今ではブローカー経由の90%ほどが、人を介在させない電子ブローキングが占めています。

 

ちなみに、電子化が進む以前は、日本にも9社ほどブローカー業者があったのですが、電子化により急速に人を介在させる取引の減少、人員削減、業者間の合併・撤退などが相次いだことから、現在では3社ほどになっています。

 

◆中央銀行もインターバンク市場参加者
インターバンク市場参加者には、各国中央銀行も存在しています。

 

ただし、この場合は、「市場介入」といって、銀行やブローカーのようにビジネスとして外国為替取引をするのではなく、急激な変動を抑えたり、その時々で適正であると判断される為替レートを修正するために取引を行います。

 

なお、日常的に市場介入が実施されることはありませんが、歴史的には外国為替市場に大きな影響を与えてきたことも事実ですから、外国為替市場動向が行き過ぎであると思われる状況では注意が必要です。

 

◆市場介入とは?
市場介入というのは、正式には「外国為替平衡操作」といい、金融当局が為替市場に参加し、売買を行って為替レートを誘導することをいいます。

 

日本では、直接的には日本銀行が介入を行いますが、決定するのは財務大臣になります。

 

具体的には、円高を抑えるために円を売り、外貨を買うのは円売り介入、円安を防ぐために円を買い、外貨を売るのは円買い介入になります。

GBPとCHFの由来は?

通貨ペアの英語表記というのは、次のようになっています。

 

■ドル円 ⇒ 「USD/JPY」
■ユーロ円 ⇒ 「EUR/JPY」
■ポンドドル ⇒ 「GBP/USD」
■ユーロスイス ⇒ 「EUR/CHF」
■オーストラリアドル円 ⇒ 「AUD/JPY」
■ニュージーランドドル円 ⇒ 「NZD/JPY」
■カナダド円ル ⇒ 「CAD/JPY」

 

この中で、ポンドドルのGBPとスイスフランのCHFについてだけ、なぜこのような表記になっているのでしょうか。

 

これは、GBPは「Gret Britain Pound」の略で、イギリスの正式名称である「the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」に由来しているからです。

 

また、CHFは「Confoederatio Helvetica Fran(コンフェデラチオ・ヘルベティカ・フラン)」の略で、スイスの正式名称「Confederatio Helvetica」に由来しているからです。

 

◆クロスレートとは?
クロスレートというのは、米ドル以外の通貨取引レートのことをいいます。なので、豪ドル/円、ポンド/円、ユーロ/円などは、すべて「クロス円レート」と呼ばれます。

 

ちなみに、ユーロ/ポンドなどもクロスレートになります。

 

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ネクスト11(ネクストイレブン)とはどのようなものですか?

ネクスト11というのは、米国の大手証券会社であるゴールドマン・サックスが、BRICsの次の控えている新興国として提唱した、次の11か国の総称です。

 

■イラン ■インドネシア ■エジプト
■韓国 ■トルコ ■ナイジェリア
■バングラデシュ ■パキスタン ■フィリピン
■ベトナム ■メキシコ

 

これらは、人口の多さや、潜在的な経済規模の大きさなどに着目して選択されています。

インターバンク市場ではどのように取引されているのですか?

インターバンク市場では、銀行の外為インターバンク・ディーラー同士が、週末を除く平日の24時間、銀行の外為ディーリングルームで、メール・電話・専用回線などを通して取引しています。

 

具体的には、A銀行がB銀行に取引の依頼をした場合には、B銀行が買値と売値をA銀行に提示し、A銀行が買いたいのであれば、B銀行の提示した売値で、売りたいのであればB銀行の提示した買値で取引をしています。

 

◆対顧客市場の対法人ではどのように取引されているのですか?
銀行の外為カスタマー・ディーラーと、他の金融機関の外国為替担当者や事業法人財務部の外国為替担当者が、週末を除く平日の24時間、銀行と他の金融機関や事業法人の間で取引しています。

 

具体的には、銀行は顧客から建値を求められるたびに、銀行間で取引されている為替レートにその顧客の信用力に見合った手数料を加えて、買値・売値を提示して取引しています。

 

◆対顧客市場の対個人ではどのように取引されているのですか?
FX会社と個人が、週末を除く平日の24時間、FX会社と個人の間で取引しています。

 

具体的には、インターネット取引の場合には、FX会社の取引画面に提示されている買値・売値を利用して個人が取引します。

 

また、コールセンターを利用した取引の場合には、FX会社のコールセンターの人が提示する買値・売値を利用して個人が取引します。

 

◆外為カスタマー・ディーラーとはどのような人ですか?
外為カスタマー・ディーラーというのは、顧客(主に法人)に、外国為替商品を紹介・販売・取引する人のことをいいます。

 

◆外為インターバンク・ディーラーとはどのような人ですか?
外為インターバンク・ディーラーというのは、カスタマー・ディーラーが顧客と締結した取引のカバー取引と、自らポジションを持って為替相場変動を利用した売買で利益を獲得することに従事している人のことをいいます。

金融市場の特性により異なるファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズ分析というのは、金融市場の特性によって異なります。

 

例えば、将来に渡るキャッシュ・フローの現在価値を算出し、ファンダメンタルズ(経済諸条件)を考慮した適正価格を判断するという理論が確立されているのは、5つの金融市場※のうち、短期金融市場、債券市場、株式市場の3つの市場だけです。

 

ただし、その3つのそれぞれの市場で、複数の適正価格算出モデルが存在することから、どれが最も適正な価格なのかという判断が難しい面もあるのですが、いわゆるファンダメンタルズ分析と呼ぶにふさわしい分析手法というのは確立されています。

 

一方で外国為替市場と商品先物市場においては、将来に渡るキャッシュ・フローというものが存在しません。

 

つまり、実務者も利用するファンダメンタルズ(経済諸条件)を考慮した適正な現在価値や価格を算出するモデルがなく、適正価格というものが存在しないということです。

 

※短期金融市場、債券市場、株式市場、外国為替市場、商品先物市場の5つです。

外国為替市場のファンダメンタルズ分析とはどのようなものですか?

結論から申し上げますと、外為関係者の間において「これがファンダメンタルズ分析である」という共通の認識が置かれているものは存在していません。

 

なので、大雑把にファンダメンタルズ(経済的諸条件)のいずれかをもとに、各人が独自の判断で市場予測・分析することをファンダメンタルズ分析と呼んでいます。

 

つまり、外国為替関係者の数だけファンダメンタルズ分析が存在するわけで、それは非常に曖昧なものといえます。

 

なお、学者を中心に展開されている外国為替の適正価格算出モデルもいくつか存在します。

 

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