日銀短観と消費者物価指数〜/製造業指数と住宅系指標と通貨の関係...

消費者物価指数とはどのような指標ですか?

消費者物価指数というのは、モノやサービスの価格の上下を表す指標であり、また、「コア指数」というのは、価格変動が著しいエネルギーと食品を除いた指数のことをいいます。

 

◆消費者物価指数の通貨への影響は?
次のように考えます。

 

■物価上昇のケース
⇒ 金融の引き締め ⇒ 金利の上昇 ⇒ 経済の好調を印象付ける ⇒ 通貨高

 

■物価下落のケース
⇒ 金融の緩和 ⇒ 金利の下落 ⇒ 経済の低迷を印象付ける ⇒ 通貨安

消費者物価指数を見る際のポイントは?

次のような点がポイントとなります。

 

■その国の金利とインフレ率を相対的に見ることが重要である。
■日本の場合、消費者物価指数は2000年の平均値を100として、各月のインフレ率を計算している。

 

◆日銀短観とは?
日銀短観は、「良い」「さほど良くない」「悪い」の3つの選択肢の中から回答を選ぶ形式になっており、3、6、9、12月の年4回発表されます。

 

この日銀短観は、GDPなどと比べて集計から発表までのタイムスパンが1か月と短く、速報性に長けていることから、突発的な相場材料になります。

 

また、景気以外にも、製品需要や在庫、設備投資計画など細かな資料が提出されることから、日本の景気を測る上で最も重要視される指標といえます。

 

◆消費者物価指数とは?
消費者物価指数というのは、モノやサービスの価格が上昇したか、あるいは下降したかを示すものなので、これによって、その国の現在のインフレ率を測ることができます。

 

インフレ率の上昇は、通貨価値が総体的に下がるということですから、政府は利上げして市場に出回るお金の量を減らし、通貨価値を上げようとします。

 

これは、お金の量が少なくなれば、必然的に価値が高まるからです。逆に、インフレ率が低下すると、政府は利下げをして通貨価値を下げ、景気を上昇させようとします。

 

これは、利下げが景気を上昇させようとする努力とみなされることから、今は経済が悪化しているのだなと判断され、その国の通貨が売られることになるからです。

 

とはいえ、上記のシナリオは、あくまでも一例です。例えば、米国において、インフレ懸念自体が経済の圧迫材料になっていると考えられている時には、コア指数が上昇してインフレ懸念が台頭すると、それだけでドルが売られたり、逆に、コア指数が下落してインフレ懸念が後退すると、ドルが買われたりするからです。

 

そういった意味では、消費者物価指数は、市場の視点や市場の問題点がどこにあるのかを確認しながら見ていかないと騙されやすい指標といえます。

 

◆総合全体指数とコア指数について
消費者物価指数には、総合全体指数とコア指数があるのですが、コア指数の方が相場に影響を与えます。

 

ちなみに、FRBやFOMCの金融政策会合においても、コア指数が参考にされます。

 

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製造業指数とはどのような指標ですか?

製造業指数というのは、実体経済の勢いを知る経済指標であり、企業目線からの景気判断指数です。この中でも特に注目されるのが、米国の「ISM製造業景況感指数」です。

 

この指数は、「全米供給管理協会」というところが、米国の製造業の購買・供給管理の専門家400人以上にアンケート調査を行い、様々な調査項目に対して、1か月前よりも「良くなっている」「同程度」「悪くなっている」の3つの選択肢の中から1つを選んでもらい、その集計結果を発表するものです。

 

◆ISM製造業景況感指数の判断方法は?
ISM製造業景況感指数は、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示唆しています。

 

実体経済に即しているという意味において、この指標は非常に注目度が高くなっており、トレンド転換のきっかけにもなっています。

 

◆製造業指数と通貨の関係
次のような関係にあります。

 

■製造業指数が上昇 ⇒ 景気拡大を示唆 ⇒ 外貨が流入 ⇒ 通貨高
■製造業指数が下落 ⇒ 景気後退を示唆 ⇒ 外貨が流出 ⇒ 通貨安

 

◆製造業指数の相場への影響は?
製造業指数のような先行指標は、トレンドの転換を示唆するケースが多いことから、相場に強く影響を与えます。

 

特に、ISM製造業景況感指数については、時期的にも、主要経済指標の中で最も早く発表されますので、注目度はさらに高まり、実際の景気に先行した結果が出ると言われています。

 

事実、ISM製造業景況感指数は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金利政策にも大きな影響を与えています。

 

ちなみに、米国の過去の金融政策においては、ISM製造業景況感指数が50%を下回った時には、これまで一度も利上げをしていません。

 

反対に、50%を大きく上回った時には、利上げによって金融引き締めを行うケースが多々見られます。

 

こうしたことからもわかるように、ISM製造業景況感指数は、相場の先行きを占う上で、有効かつ重要な指標であるといえます。

住宅系指標とはどのような指標ですか?

住宅系指標には、次のような様々なものがあります。

 

■中古住宅販売件数
■新築住宅販売件数
■建設許可件数
■住宅着工件数...など

 

この住宅系指標が上昇すると、その他の関連市場も盛り上がることから、景気を測る指標として認識されています。

 

また、他に材料がない時は、トレンド転換を引き起こす影響力を持っています。

 

◆住宅系指標と通貨の関係について
次のような関係になります。

 

■住宅系指標の上昇
⇒ 景気好調 ⇒ 利上げを連想 ⇒ 外貨が流入 ⇒ 通貨高

 

■住宅系指標の下落
⇒ 景気後退 ⇒ 利下げを連想 ⇒ 外貨が流出 ⇒ 通貨安

 

◆住宅系指標は先行指標
住宅系指標は、その国の経済の良し悪しを反映する重要な要因といえます。

 

というのは、住宅は、それ自体の購入金額が何千万円と高額であるのはもちろんですが、人々のマイホーム購入が活発化すると、それに付随して、家具やインテリア、電化製品など、総合的な消費が喚起されるからです。

 

なので、住宅系指標は、製造業系指数と同様、先行指数の意味合いを強く含んでいることから、投資家をはじめ為替市場関係者は、住宅系指標からトレンド転換を見極めようとします。

 

◆住宅系指標の種類は?
住宅系指標は、具体的には次のようなものがあります。

 

■新築住宅販売件数
■住宅着工件数
■建設許可件数
■中古住宅販売件数
■中古住宅在庫件数...など

住宅と金利にはどのような関係がありますか?

住宅と金利には強い関係性があります。

 

というのは、多くの人の場合、何千万円もする住宅を、一度にキャッシュで支払うというよりは、銀行などから住宅資金の融資を受けるために、20年、30年といった長期返済の住宅ローンを組むことになるからです。

 

つまり、銀行からお金を借りるわけですから、マイホーム購入者は、住宅ローンの貸付金利を気にすることになるのです。

 

当然のことながら、貸付金利は、低ければ低いほど毎月返済額が軽減できますので、人々は金利がより低い時にマイホームの購入を考え、反対に、金利が高い時には購入を手控えることになります。

 

◆政府の金利誘導と通貨との関係は?
一般的には、その国の政府が金利を低く誘導すれば、次のようなシナリオが成り立ちます。

 

⇒ 金利が低い ⇒ 住宅系指標が上昇する ⇒ 景気が拡大する ⇒ その国の通貨が買われ、価値が上昇する

 

逆に、その国の政府が金利を高く誘導すれば、次のようなシナリオが成り立ちます。

 

⇒ 金利が高い ⇒ 住宅系指標が低迷する ⇒ 景気が悪化する ⇒ その国の通貨が売られ、価値が低下する

 

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もみ合いとは?

もみ合いというのは、売り手と買い手が競り合っているなど、為替レートが一定のレンジ内で推移している状態のことをいいます。

 

もみ合い相場は、上下動を繰り返すばかりですから、トレンドとしては上昇するのか下降するのか、判断が難しい局面となります。

 

◆通貨のメリットとデメリットを見極める
FXというのは、通貨を売り買いしてその差益で儲けを得る取引ですから、儲けのチャンスを広げるためには、各国通貨のメリットとデメリットを相対的に見極めることが必要になります。

 

また、それには、各国通貨について、次のような項目に注目する必要があります。

 

■金利
・高金利であればスワップポイントが狙えますが、インフレ率や経済状況、将来性などを知らないと非常にリスクが高くなります。

 

■ボラティリティ(価格変動率)
・値動きが荒く、ジグザグしたチャートを形成する相場というのは、短期間に利ザヤを得るチャンスが大きいので、短期狙いの投資家にとっては魅力的です。

 

■経済状況
・各国の主要産業を知ることは当然ですが、世界の国々はグローバル的につながっているわけですから、各国の貿易関係などを知っておくと非常に有効です。
・一つの国の景気が上昇・悪化した後、それが他国にどのように派生するのかを知ることによって、価格予想が容易になります。

テクニカル分析とは?

テクニカル分析というのは、過去の価格や出来高などをチャートにして記録し、その内容を分析して、将来の価格や相場動向を予測する相場の分析手法の1つです。

 

これに対して、ファンダメンタルズ分析というのは、経済や政治、天候などの要因から相場分析を行う手法をいいます。

 

なお、テクニカル分析では、ローソク足、移動平均線、RSI、一目均衡表などさまざまなチャートが用いられますが、これらを単独で用いるよりも、複数のチャートを組み合わせて利用した方が分析の精度を高めることができます。

 

◆トレンドを判断するにはどのような移動平均線を使えばよいのですか?
一般に移動平均線として使われるのは、単純移動平均線です。この単純移動平均線の計算方法は、例えば、5日移動平均の場合であれば、直近5日間の終値を合計して5で割ります。

 

同じように、21日移動平均であれば、直近21日間の終値を合計して21で割ります。

通貨選択の際、どのような点に注意したらよいですか?

FXにおいて通貨を選ぶ際には、次のような点に注意して、バランスよく見ることが大切です。

 

■金利
・金利差(スワップポイント)を重視することは当然のこととして、その金利がどのような背景で決められているのかを見極めることが重要です。
・経済の悪化を伴う高金利通貨を買ってしまうリスクもありますので、注意が必要です。

 

■ボラティリティ(価格変動率)
・安定した通貨でローリスクな取引を心掛けることも重要なのですが、個人投資家が扱える資産には限度がありますので、小さな利益しかとれないこともあります。
・なので、効率よく投資したいのであれば、ある程度ボラティリティのある通貨ペアでの取引も視野に入れるとよいと思われます。

 

■経済状況
・通貨の価値というのは、最終的にはその国の経済的な強さにより決まります。
・なので、各国の主要産業や貿易品目は何であるのか、あるいは、主要な貿易相手国はどこなのか、さらに、今後の注目産業などを事前に知っておく必要があります。

有事の米ドルとはどのようなものですか?

米国は世界の基軸通貨ですから、仮にもしドルがその存在感を薄くしたとしても、代わりとなる通貨が現れない限りは、基軸通貨の変更は起こり得ないと考えられます。

 

また、米ドルは、以前までは「有事のドル」として、戦争やテロなどが起きた際には、無条件で買われていました。

 

しかしながら、現状は、米国が戦争やテロの標的となることもありえますし、100年に一度と言われる金融危機の震源地として、米国の株価低迷や投資資金の流出が著しいものとなっています。

 

◆米国の経済状況は?
2009年4〜6月期の実質GDPは、マイナス1.0%となり、4期連続のマイナス成長となりました。

 

ビッグスリーの凋落を見てもわかるとおり、過去主要産業であった自動車産業の衰退も印象的です。

 

◆米国経済の今後の展望は?
今後の米国経済の展望を知ろうと、要人の中でも特に、次のような人の発言が、市場関係者に強く意識されつつあります。

 

■歴代の財務長官であるルービン氏やサマーズ氏
■投資家のウォーレンバフェット氏
■シカゴ大学大学院教授グールズビー氏...など

代替エネルギーについて

代替エネルギーの開発について、ここ数年の米国の動きとして注目されています。

 

オバマ大統領も、クリーンエネルギーの促進に多大な資金を投じ、バイオ燃料の生産やハイブリッドカーの開発、商品化について、国家プロジェクトにしようとしています。

 

今後、まだまだ時間はかかると思われますが、環境ベンチャー企業などの株価と米ドルを関連付けて考えるのもよいかもしれません。

 

また、内需に関しては、インフラの老朽化を理由として、公共事業として建設業界や輸送業界などが盛り上がりそうです。よって、ダウ平均株価を常にチェックしておきたいところです。

 

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