要人発言とFOMC〜/ECBとFRB〜/為替相場と債券、国債利回りとの関係...

要人発言は為替相場にどのような影響を及ぼすのですか?

為替相場に影響力を持つ要人が、相場に対して何らかの考えや意向を発表すると、それが価格変動要因となります。

 

例えば、米国のFRB関係者が「今後、米国経済は堅調に向かう」と発言して、それが相場に素直に捉えられれば、ドルを押し上げる材料になります。

 

とはいえ、事前に予想されていたり、誰もが思っていることであったり、誰も気に留めていない内容に要人が言及したとしても、価格変動要因にはなりません。

 

つまり、発言のインパクトは様々であり、むしろ「その通りの発言だった」と捉えられて、売り圧力になることもよくあります。

要人発言のポイントは?

要人発言のインパクトを測るポイントとしては、次の2点が重要です。

 

■その発言は市場にとって意外な(驚くべき)内容であるか
■その発言の内容は市場に意識されているか

 

なお、要人発言は、国際会議や定例的な会議のほか、通信社や経済紙などに突然掲載されることもありますので、常にニュースをチェックしておく必要があります。

 

◆市場が最も注目する経済イベントとは?
為替市場参加者の多くが注目する重要イベントのほとんどは、何らかの会議になるのですが、その会議では、その国の「金融政策」や「金利政策」が検討されることから、市場価格を動かすインパクトとなります。

 

そのような経済イベントの中でも、米国のFOMC(Federal Open Market Committee)は最も注目が高く、また為替相場にもインパクトを与えます。

FRBとFOMCについて

米国には、各州に独立した連邦銀行があり、それを取りまとめる中央銀行があるのですが、この中央銀行制度の最高意思決定機関がFRB(Federal Reserve Board)で、このFRBが主催する会合の略称が「FOMC」になります。

 

ここでは、連邦銀行から提出されたレポートを材料に、今後の金利政策の方向性が議論されます。

 

そして、会議が終了すると、バーナンキ議長など重要人物がこの議事録を発表するのですが、これが、市場が注目するポイントとなります。

 

◆FOMCにおける議論とは?
例えば、米国経済が低迷し、さらにインフレ気味であった場合には、「景気回復」か「インフレ回避」かという、2つの方法論が議論されます。

 

両方とも米国経済を良好にするための政策ではありますが、金利政策の観点からみますと完全に相反します。

 

つまり、景気回復に重点を置くのであれば金利は下げるべきですが、インフレ回避に重点を置くのであれば金利は上げるべきだからです。

 

FOMC後の会見では、議長がかなり曖昧な表現でこれについての考えが示されるのですが、これが米メディアや通信社により解釈され、それが材料として市場に出回ることになります。

 

◆FOMCとは?
FOMC(Federal Open Market Committee)というのは、連邦公開市場委員会のことです。

 

ここでは、米国の連邦準備制度の金融政策に基づく公開市場操作※の方針を決定します。

 

※マネーサプライの調節、金利・為替水準の誘導などです。

 

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ECBの動向にもチェック

ECB(欧州中央銀行)は、ユーロ圏経済の最高意思決定機関であり、ここからユーロ圏の金利が発表されます。なので、ECBの動向にも注視したいところです。

 

◆EU理事会とは?
ユーロ圏の「EU理事会」というのは、EU各国の代表が集まって、EUに関する経済、財務、対外関係、総務などの方向性を検討、発表する機関のことをいいます。

 

◆FRBとは?
FRB(Federal Reserve Board / Board of Governors of the Federal Reserve System)というのは、米連邦準備理事会のことです。

 

連邦準備銀行もFRB(Federal Reserve Bank)ですが、連邦準備制度理事会では、公定歩合、支払準備率、公開市場操作などの金融政策を行います。

 

なお、FRBは、日本における日本銀行と同じで、アメリカの中央銀行に相当する機関といえます。

 

◆FFレートとは?
FFレート(Federal Funds Rate)というのは、米国の代表的な短期金利で、金融政策の誘導目標金利になっているもので、フェッド・ファンドを市中銀行同士で貸し借りする時の利率をいいます。

 

フェッド・ファンドは、リザーブを預けてある預金口座で、この預金には利子はつきません。また、準備金に余裕のある銀行は、資金を他行に貸し付けて運用しています。

 

ちなみに、フェッド・ファンド市場(federal funds market)というのは、銀行間で即日利用可能な短期資金を無担保で取引する市場のことをいいます。

 

なお、FFレートは日本のコール金利、FFマーケットは日本のコール市場に相当します。

国際会議に注目

「G7」「G8」「G20」などの国際会議にも注目する必要があります。

 

なぜなら、これらの会議の目的は、国際的な金融システムの維持であり、重要な議題の1つとして「為替相場の安定」があるからです。

 

なお、会議の後、そこで話し合われた内容が報道されますが、この為替相場に関する発言には、世界中の市場参加者の注目が集まります。

 

◆日本の政治動向は為替相場どの程度影響を与えますか?
日本の政治が不安定になると、基本的には円売りドル買いの圧力が加わります。

 

ですが、それが短期的にでも為替相場に影響を及ぼすのは、他に強く相場を動かす材料がないときであって、長期的にはまずありません。

 

相場を見ていると、どうしても近視眼的になり、特に日本人であれば、日本の政局の揺れを過度に大きな材料として見てしまいがちです。

 

しかしながら、そのようなことはまずありませんので、すべての材料を客観的に見ることが重要になってきます。

 

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ご祝儀相場とはどのようなものですか?

2009年4月に就任したオバマ米大統領の勝利が決定した時には、米ドルが瞬間的に大きく上昇しました。

 

これは、もちろん米国の方が日本よりも重要度が高いこともあるのですが、それ以上に、米大統領の交代はめったにないことだからです。

 

また、ブッシュ政権に対する批判からくる祝福ムードが、市場全体を支配したともいえます。ご祝儀相場というのは、まさにこのような相場のことをいいます。

 

ちなみに、ご祝儀相場は実体経済には何も関係がありませんので、短期的な上昇で終わります。

 

◆為替相場と関連性のある相場は?
為替相場と関連性のある代表的な相場(市場)としては、次の4つのものがあります。

 

■株式市場
■債券市場
■原油市場
■金市場

 

また、株式市場と為替相場の関係性としては、その大前提として、その国の株価と通貨は同じように動くということがあり、「株価が上昇するから通貨が上昇するケース」と、「通貨が上昇するから株価が上昇するケース」の両方があります。

通貨が上がるから株価も上がるとは?

まず、通貨主導で株価が変動するケースでは、その前提として、その国の通貨が高まるということは、その国の経済全体に対する評価が高いということがあります。

 

そして、業種的に言えば、円高時には、日本の輸入関連企業の株が買われ、反対に、円安時には、輸出関連企業の株に人気が集まります。

 

これは、円高の場合には、たとえ輸出関連企業が外国で多くの利益を出したとしても、海外通貨の価値が総体的に下がってしまい、円に換算したときに儲けが少なくなってしまうからです。

 

逆に、円高の場合には、輸入関連企業の株は買われます。

 

これは、円の価値が上昇すれば、輸入関連企業は、海外から円高になった分だけ安いコストで原材料や製品を購入することができるからです。

 

つまり、輸入関連企業にとって円高はいいことなので、これらの企業の株が買われるということです。

 

◆株価が上昇するから通貨が上昇するケースとは?
わかりやすく日本株で考えますと、日経平均株価が上昇すれば、株式市場のおよそ60%とも言われている外国人投資家※が、日本株を購入しようとします。

 

この取引は、当然ですが日本円で行われます。

 

つまり、日本株の人気が高まれば高まるほど、その日本株を購入するために、購入資金を円に交換する必要性が高くなり、その結果、円高になる構図が生まれるのです。

 

※海外に居住している投資家のことです。

 

◆米ドルと日経平均株価の関係は反相関?
米ドルが下落したなら円が上昇したということですから、日経平均株価は上昇するのではないかと考えがちですが、実はそうとも言い切れません。

 

ドルが下落して、日経平均株価も下落したというケースはよくあり、これは、ドルの下落に連られて米国株※も下落しているからです。米国株は、日経平均株価に大きな影響を与えます。

 

すなわち、米国株が下落すると、ドルも日経平均株価も下落し、日経平均株価が下落すれば、円も下落する、という流れになるのです。

 

ちなみに、このドル、円、米国株、日本株の4つの関係性は、その時々のパワーバランスによって決まるものですので、一概には言えません。

 

※主としてニューヨーク・ダウ平均株価です。

鉱工業生産指数とは?

鉱工業生産指数というのは、日本の産業を、鉱業と製造業に大別した上で産業別に細分化し、生産・出荷・在庫などの変動から景気を判断するための指数をいいます。

 

この鉱工業生産指数は、生産動向を知る上で、最も有効な指数です。

 

◆情報を見極めるには?
情報を入手した際には、その情報の中身よりも、その情報(材料)は、為替市場に大きいものとして捉えられるのか、あるいは小さいものとして捉えられるのかという、市場がどのように捉えるかということの方が重要です。

 

つまり、その情報云々ではなく、その情報が以上に与えるインパクトの大きさを考えるということです。

債券とはどのようなものですか?

債券というのは、国や地方公共団体、企業などが、幅広く一般投資家からまとまった資金を調達するために発行するものをいいます。

 

債券は株式にも似ていますが、あらかじめ利率や満期日が決まっている点において株式とは異なります。

 

なお、債券は、為替市場に大きな影響を及ぼしますので、その関係性についてはしっかり知っておきたいところです。

 

◆為替相場と債券は、どのような関係にあるのですか?
為替相場に関係してくるのは、主として各国が発行する「国債」ですが、これについては、国が倒産することはまずありえませんし、利率が決まっているという点では、よりリスクの低い金融商品といえます。

 

また、国債の価格というのは、各国の金利を前提に決められます。

 

一般的には、金利が低下すると国債の価格は上昇し、金利が上昇すると国債価格は低下するという逆相関の関係にあります。

 

つまり、その国が不況に陥った場合、中央銀行は政策金利を引下げて、企業の設備投資などをしやすくさせ、経済を活性化させようとします。

 

この段階では、金利は下がったのですから、利子収入の低下を見越して通貨は安くなります。しかしながら、逆に国債価格は上昇するのです。

 

よって、国債価格が上昇したというニュースが報じられた場合には、その国の通貨安を連想し、対処することが大切です。

地合いとは?

相場には地合い(じあい)というものがあり、これは、投資家の気持ちを表しています。

 

ものすごい買い材料であっても、相場の地合いが悪ければ、インパクトは一瞬にして消えてなくなることもありますし、反対に、大して悪くない材料でも、下げ材料として大きく扱われることもあります。

 

◆為替相場と国債利回りにはどのような関係にあるのですか?
金利が上昇した場合には、それだけで喜ぶのではなく、やはり「インフレ率」を加味したFX投資を心掛けたいところです。

 

インフレ率を加味したその国の「為替相場」と「国債利回り」の関係については、次のようになります。

 

■その国の経済が好調 ⇒ 金利の上昇 ⇒ 国債価格の低下 ⇒ 同時にその国の通貨高
■その国の経済が低迷 ⇒ 金利の低下 ⇒ 国債価格の上昇 ⇒ 同時にその国の通貨安

 

具体的には、国債の利回りを仮に2%としますと、具体的には、次のようになります。

 

■日本の金利が3%に上昇するケース
・利回り2%の国債は、金利3%よりも低いので、売りたいという投資家が増加します。
・国債価格は下落します。
・国債購入時の価格(国債価格×申込み単位)は下落しますが、満期日に償還される金額は決まっていることから、利回りは上昇します。

 

■日本の金利が1%に下落するケース
・利回り2%の国債は、金利1%よりも高いので、購入したいという投資家が増加します。
・国債価格は上昇します。
・国債購入時の価格(国債価格×申込み単位)は上昇しますが、満期日に償還される額面金額は決まっていることから、利回りは下がります。

 

◆地合いの形成過程は?
一般的に、上昇トレンドの時には、多くの投資家がその通貨を買っているということですから、市場参加者の多くは上昇してほしいと願っているわけで、そのような願望が希望的観測を生み、都合のよい情報のみに目を向ける地合いを形成するともいえます。

 

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