基軸通貨の条件〜/実需と仮需、投機筋〜/市場の外的要因...

なぜ米ドルが基軸通貨なのですか?

米ドルが世界の基軸通貨として重要視されている理由は、わかりやすく言えば、アメリカ経済が世界中から信用されているからということにほかなりません。

 

これは言い換えれば、「現在の米ドルの価値は、米国の高い経済力によっている」とか「軍事力があるから戦争が起きても大丈夫であろう」とか「何が起きても急落はしないだろう」などと世界中の人々が考えているからこそ、米ドルが基軸通貨になりえているのです。

基軸通貨が代わる?

サブプライムローン問題やリーマンショックに端を発した経済危機後、米国経済の低迷を受け基軸通貨が代わるのではないかという議論が沸き起こりました。

 

しかしながら、その後、経済危機は世界中に派生し、現在も米ドルに代わる基軸通貨は見つからないといった状況です。

 

◆基軸通貨の条件は?
基軸通貨になりえるための条件としては、次のようなことをあげることができます。

 

■信頼性がある
・世界中の誰もが安心して取引できる「取引通貨」であるかどうかということです。

 

■戦争などの有事に強い
・世界の人々が安心して投資できる投資通貨であるかどうかということです。

 

■潜在的な経済力がある
・各国政府の準備通貨になりえるかどうかということです。

日銀短観とは?

日銀短観というのは、日銀短期企業経済観測調査のことをいいます。この日銀短観は、3の倍数月(3月、6月、9月、12月)に発表されます。

 

◆実需と仮需にはどのような違いがあるのですか?
実需と仮需という2つの市場参加者の大きな違いは、量的制限と時間的制限の有無にあります。

 

まず、実需タイプの場合は、モノを購入し、その代金支払いの必要に駆られて通貨の交換を行うわけですから、反対売買※を行う必要がありません。

 

つまり、ポジションを清算する時間的制限がないということです。ただし、本当に必要な量しか通貨交換をしませんので、取引量には限りがあります。

 

一方、仮需タイプの場合は、実体経済的には関係しない利ザヤ目的の外貨投機を行いますので、必ず反対売買の必要があり、時間的制限(期日)が存在します。

 

ただし、多くの人たちの資金をまとめて取引を行い、さらに高率のレバレッジをかけているケースが多いことから、取引量は実需と比較して圧倒的に多くなります。

 

つまり、量的制限が少ないということです。これらのことから、実需と仮需の動向については、次のような特徴を持つことになります。

 

■実需タイプの動向 ⇒ その通貨の長期的なトレンドになる。
■仮需タイプの動向 ⇒ 短期的なチャートのジグザグとして反映される。

 

※買った通貨を売る、あるいは売った通貨を買い戻すということです。

 

◆仮需と実需の特徴は?
仮需というのは、投機をして利ザヤを得るために通貨交換を行うものをいい、実需というのは、投機目的ではなく、必要に迫られて通貨交換を行うものをいいます。

 

また、仮需と実需には、次のような特徴があります。

 

<仮需タイプ>
■通貨交換金額 ⇒ 多い
■時間制限 ⇒ あり

 

<実需タイプ>
■通貨交換金額 ⇒ 少ない
■時間制限 ⇒ ない

 

◆仮需と実需のトレンドへの影響は?
基本的に、実需タイプは長期トレンドを作り出します。一方、仮需タイプによる投機は、投資金額が大きいことから、一時的なトレンド転換を作り出すこともあります。

 

ただし、必ず反対売買を行わなければならないという時間的制限があるため、反対売買が集中して決済されれば、やがては実需タイプのトレンドに戻ることになります。

 

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為替相場の参加者は?

為替相場の参加者には、実需タイプの参加者と、仮需タイプの参加者の2つのタイプが存在していて、これらは、まったく異なる考え方や方法で為替市場に参入してきます。

 

◆仮需タイプの参加者とは?
仮需タイプの参加者というのは、いわゆる投機筋であり、ファンドやその他の金融機関に属するプレイヤーのことをいいます。

 

ちなみに、ファンドとは、一般の人々から集めた資金を運用して、利益を上げる義務のある組織のことをいいます。

 

こうしたタイプのプレイヤーは、実需タイプのように実体経済に即するわけではなく、為替取引の利ザヤで儲けるためだけに市場に参加してきます。

 

なお、現在では、この仮需タイプの投資家が為替相場に及ぼす影響は、極めて大きなものになっています。

 

◆投機筋が一点集中した場合はトレンドに
ファンドの投機がある通貨に一点集中した場合において、しばしばトレンド形成のきっかけになることがあります。

 

しかしながら、その際、当然のことながら仮需タイプは、いつかは反対売買をしなければならないわけであり、その反対売買のタイミングが一緒になれば、そのときは、反対のトレンド形成のきっかけになることもあります。

 

◆実需タイプの参加者とは?
実需タイプというのは、実体経済に伴う資金調達を行うプレイヤーのことで、これには、旅行関係者や製造業、輸出入関係の企業などが該当します。

 

また、この実需プレイヤーの中でも最も為替市場に影響を与えるのが、国内の輸入企業です。

 

輸入企業は、海外から原材料やモノを大量に買い付け、それを国内の企業や消費者に販売します。

 

この買付時の支払いは、日本円ではなく取引相手国の通貨となり、例えば米国から輸入するとなれば、円をドルに交換して決済にあてる必要があります。

 

つまり、決済時には、これら輸入企業によって多額のドルが買われ、多額の円が売られるということです。こうした通貨売買により、意図していなくても為替レートは変動するのです。

投機筋の動きをチェックする

個人投資家が、米ドルやユーロなど主要通貨(メジャーカレンシー)の価格を動かすということはほぼ不可能ですから、機関投資家など投機筋の動きが顕著であれば、その波に乗ることも重要です。

 

そして、機関投資家の動向を知る上で、個人投資家の大きな助けになるのが「CFTC(Commodity Futures Trading Commission:米国商品先物取引委員会)」の建玉明細になります。

 

◆CFTCの建玉明細とはどのようなものですか?
CFTCは、毎週金曜日に、その週の火曜日までの大口投機家の建玉明細を発表しますので、これにより、ファンド筋が買いで入っているのか、それとも売りで入っているのかがわかります。

 

■買い越し
・買いが売りを上回っている状態なので、投機マネーが買いに流れていると判断できます。
・通貨の上昇要因です。

 

■売り越し
・売りが買いを上回っている状態なので、投機マネーが売りに流れていると判断できます。
・通貨の下落要因です。

 

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CFTCとは?

CFTC(米国商品先物取引委員会)は、本来は、米国内のFXを含むデリバティブ市場での詐欺や市場操作などの不正行為を取り締まり、市場と市場参加者を保護することを目的として設立された機関です。

 

CFTCは、その市場や市場参加者の保護の一環として、大口トレーダーの口座を取り扱っている会社に、該当するトレーダーの建玉状況を毎日報告するように義務付けているのです。

 

なお、この報告では、規制内容が異なることから、トレーダーを大口ヘッジャー(当業者)と大口投機家(非当業者)に区別しています。

 

つまり、大口ヘッジャーと大口投機家の取組高が、毎日、CFTCにより報告されているというわけです。

 

◆COTレポートについて
CFCTは、大口投機家の建玉明細を「COT(Commitments of Traders Report)」として、基本的に毎週金曜日の取引終了後に、その週の火曜日時点の取組内容を発表しています。

 

個人投資家は、このCOTレポートを見ることにより、投機マネーの買い玉あるいは売り玉の増減を判断します。

 

◆CFCT建玉明細と為替レートは密接な関係にある
CFCTでは、基本的に毎週金曜日の取引終了後に、その週の火曜日時点の大口投機家の建玉明細を「COT(Commitments of Traders Report)」として発表していますので、ファンド筋が買いで入っているのか、それとも売りで入っているのかがわかります。

 

個人投資家は、このCOTレポートにより、次のような判断を行うことができます。

 

■上昇トレンド時に投機マネーの買い越しが増加しているケース
・大口投機家の買い玉が売り玉を上回っていれば「大口投機家の買い越し」であり、投機マネーが買いに流れていると判断できます。
・上昇トレンド中に大口投機家の買い越しが増加していれば、さらに価格は上昇すると判断できます。

 

■上昇トレンド時に投機マネーの売り越しが増加しているケース
・上昇トレンド中に大口投機家の売り越しが目立ち始めたら、価格は落ち着き、やがて横ばいから下降トレンドに変わると判断できます。

 

■下降トレンド時に投機マネーの買い越しが増加しているケース
・下降トレンド中に大口投機家の買い越しが増加しているのであれば、下げの勢いが止まる可能性があると判断できます。

 

■下降トレンド時に投機マネーの買い越しが減少しているケース
・下降トレンド時に、大口投機家の買い越しがさらに減少していれば、買い玉の損切りが増え、下げを加速させる可能性があると判断できますので、売りから入ることも検討したいところです。

 

なお、CFCT建玉明細と為替レートは、非常に密接な関係にあります。市場の大口投機家の売り建てが多ければ相場は下がりますし、買い建てが多ければ相場は上がるからです。

 

そういった意味においては、建玉明細は、人気のバロメーター、すなわちトレンドであると考えることもできます。

市場の外的要因としてはどのようなものがありますか?

市場には、次のような多くの外的要因があります。

 

■戦争(テロなど)
■各国の政情
■要人発言...など

 

また、それぞれに経済学では測ることができない「相場のクセ」といったようなものもあります。

 

◆テロや紛争が起きた際のポイントは?
テロや紛争が起きた際には、次の2点がポイントになります。

 

■どの程度、実体経済に影響を与えそうか
■どの程度、継続しそうか

 

短期的に大幅変動するのは、心理的な不安感から取引量が落ちることでボラティリティ(価格変動率)が高まるからです。

 

なので、過度に反応せずに、既存のトレンドをしっかりと見極めることが重要になります。

 

◆有事の際、為替相場にはどのような影響がありますか?
テロや紛争などの「有事」は、外的要因の代表格として市場に影響を及ぼします。

 

物理的にも人やモノが傷つくことから、一見、そのインパクトは大きいと思われがちですが、ここ最近のテロと相場の関係を見てみますと、確かにインパクトは大きいのですが、実体経済に影響がなければ、すぐに相場に吸収されてしまうという傾向にあります。

 

実際、米国の9・11同時多発テロの後、米ドルはパニック的に売られましたが、翌月にはほとんどが買い戻されています。

 

また、2005年に英国で起きたテロのときも、翌日にはほぼ回復しています。

 

さらに、主要先進国から見た際の外部紛争であるイスラエルや中東情勢の悪化なども、その多くは短期的な売り材料と捉えられ、その後すぐに買い戻されています。

 

◆有事の際には短期で売りを入れる?
テロや紛争など有事のニュースがあった際には、短期的な下落を前提に、短期で「売り」を入れる戦略が有効です。

 

また、テロや紛争発生時の下落の度合いを予想するために、ファンドがどの程度買い玉を持っているのかを知っておくのが理想的です。

 

これは、一時的とはいえ、テロや紛争が起きた際には、買いポジションを持っていたファンドが、ポジションを手仕舞う動きが起こるからです。

 

なお、テロや紛争発生以前の相場において、多くの買い玉が積み上がっていれば、下落率は大きなものとなりますし、反対に、ファンドの買い玉が少なければ、ポジション手仕舞いの動きはそこまで顕著には現れず、下落率は限定的になります。

コモディティ通貨に注目?

テロや紛争など有事の際に上昇するのが、安全資産としての金などです。また、金の価格に連動しているオーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア通貨が買われたりします。

 

よって、通常は、ドル/円で取引を行っているトレーダーも、このような特別な状況になれば、コモディティ通貨に注目するというようなこともあるようです。

 

◆人がどのように思うのかが重要
相場においては、人がどのように思うかということが重要になります。つまり、大事なことは、経済情報だけでなく、それを見た人がどのように思うのかを予想することということです。

 

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